再スタートの場所
社会から隔絶されてしまった私にとって
数少ない「人と接触する」場所があって
何度も通ううちに顔を覚えてくれて
いろいろおしゃべりをすることも増えて
だけどお互い名前すら知らない
絶妙な距離感のままで
たぶんそれがなおよかった
社会にまた復帰しようと思うとき
そこから始めるのはどうだろうって
ある晩ふと考えていたの
好きな場所はそのまま残すべきなのか
直感的に知っている場所で再スタートを切るか
どちらを取るにしても
まだ動き出してもいないけど
ここで働くってどういうことですか
って聞いてみたくなって
分かんないけど気づいたら七年経ってた
って教えてくれたのは
キリッとした顔で仕事を捌きさっぱりしゃべるお姉さん
なんだかんだで続いたと言っても
続けることはある種の才能で
仕事が長続きしない私には驚きだったの
人とのつながりを大切に思う人には向いている
って教えてくれたのは
物腰は低いけど髪型は攻めてるギャップありなお兄さん
一言目がそれってとてもすてきに響いて
胸のドキドキがおさまらなくて
その晩はなかなか眠れなかったの
今の私にとって その決断は
魅力的で リスキーで
いずれは必要なもので まだ早いかもしれない
けれど
選択肢を増やすことは悪くないし
聞きたいと思ったことを聞けて良かったし
だから
もし大きなうねりのような波がやってきたとしたら
恐れずに一度は乗ってみればいいと思うの
どこからでも 何度でも 始められるはず
思いつめ過ぎずに 全てを賭けすぎずに
もう少し緩やかに もう少し力を抜いて
ただ 私を大切にできて 私が大切にされる場所を
もう少し 見極めてみるつもり