かわいい
何かと かわいい というクセがあって
年上の人にも 意外なものにも
臆さず かわいい を連発していたから
ときには誰かを驚かせることも
今日もかわいいですよ!と職場なのに
毎日のように言い聞かせ続けた相手は
最初こそ かわいくないです などと
クールっぽい対応を見せていたものの
本当はそう言われるのが好きで嬉しく
わざと会いに来ていたと後から聞いた
彼とはとてもいい友人関係に発展して
なんと数か月間シェアハウスまでした
お互い同時に何かと忙しかったうえに
彼のこだわりと私のビョーキの前兆で
すれ違いや苛立ちも多々あったけれど
基本何をしてもかわいく見えるわけで
彼にとってはどうだったのか謎だけど
私から一方的に言わせてもらうならば
トータルで言えばいい思い出というか
だけどもう二度とはできないだろうな
何かと かわいい と思う感覚自体は
失いたくなくて 持ち続けていたくて
だって かわいい と思えるものなら
私は絶対に粗略に扱わないと思うから
困らせたくないし混乱させたくないから
今は会わないし連絡もしないでいるけど
彼のことだから今日もあのころと同じで
きっと かわいい のままじゃないかな
またいつか会えることがあったら
そのときは前と同じようにきっと
今日もかわいいよ と言うと思う
そして彼はきっと前と同じように
あのふやけたような笑顔を見せる
だって彼は かわいい わけだし
つまりはそういうことなのだから