いつまでもキレイな景色とアウトドアを楽しむために、今できること。
ひのりす君の通う「ひの自然学校」では、よく子ども達と山へ行きます。
この間は山梨県にある標高2,000m近い「大菩薩嶺」へ1泊2日のハイキングへ出かけました。
参加する子ども達は登山に精通しているわけではないですが、今回は1年に1回キャンプ場でのキャンプイベントに参加してくれている小学校高学年~中学生と一緒でした。
ひの自然学校では、最近、環境倫理「Leave No Trace(LNT)」というコンセプトの導入に力を入れています。ヒトと自然がいつまでも持続可能な関係を築けるように、環境負荷を軽減しながらアウトドアを楽しむための方法や考え方を知り、実践するものです。
今回の登山企画でもまずはじめにLNTに触れ、特に「ゴミの適切な処理、ゴミの長寿っぷり」についてレクチャーをしました。ざっくりいうと、ゴミはポイ捨てされてそのままになると、微生物が分解しようとするが、それにはどれくらいの時間を要するのか…というクイズです。
意外と時間がかかる…ことに子ども達はたいてい驚きます。「ヤバ…」という声が漏れてきます。こうして動機付けをしたのち山に入ると、感度の高い子は、登山を楽しみつつもトレイル上や横に落ちているゴミに目が行くようになります。
さらに感度が高い子は、だんだんいてもたってもいられなくなり自主的にゴミを回収しようとし始めます。
山頂付近のキレイな景色が見えるスポットでも、景色を楽しみ、おやつを食べたらおもむろにゴミ拾いが始まりました。
「わ!ビニールだ。これは50年…。」「瓶だ!100万年を救った…!」など、動機付けに用いた、長生きなゴミたちの知識と紐づけながら、地球防衛隊として活躍しています。
この山で子どもたちが集めた中に、興味深い空き缶がありました。
土の中に半分以上埋まっていたのを発掘したのですが、なんだかだいぶ年代物な感じですよね。どうも昭和っぽいデザイン。飲み口を見てみると今は使われていないタイプで、時代を感じます。思わず「なつかしい!」ってなりますよね。笑
今日の主役は左から2番目の缶です。ふと気になって水で洗い、缶底を見てみました。缶底に賞味期限が記載されており、もしかろうじて残っていればいつ頃捨てられたか見当がつくのです。
やった!見えました!! 「810514」…!
ん、つまり「1981年5月14日賞味期限」…ということは、約40年近く前に大菩薩の山に置き去りにされた空き缶ちゃんです(;´∀`)
40年以上土の中にいて…この保存状態の良さです。。。どうです??
関心してる場合じゃないですね。これはとんでもない事です。微生物はゴミの分解が苦手なんです。よくわかる1枚の写真でした。
「ゴミをポイ捨てしちゃいけない!」はルールだからじゃなく、合理的なこういう理由があるってことなんですよね。
環境系の話題になると、よく「子どもや子孫の世代にツケを回す…」と言いますが、この例もまさにそうです。
40年以上前の人が山にポイ捨てしたゴミを、40年後の子どもが拾っています。捨てた人がもし大人であればどれだけ恥ずるべきことでしょう…。
今日も山に限らず街の至る所で大小さまざまなゴミがポイ捨てられていることかと思います。この記事を目にしてくださった方の少しでも多くが、ポイ捨てゴミが目に入るようになり、「捨てるのはやめよう!」ひいては「目に入ったゴミは回収してあげようっと!」となることを願っています。
いつまでもキレイな山や景色を楽しみたいし、残していってあげたいな…と、ひのりす君はとってもそう思うのです。
※ちなみに、この日は子どもや大学生リーダーの手によって約20ℓのゴミが回収され、クリーンセンターへ送られていきました。
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