Vol.23 不正競争防止法に関して「INPIT 知財総合支援窓口」へ相談
2019年5月24日、金融庁が発令した業務改善命令によって明らかとなった西武信金の不適切(不法?)な融資。
さらに、業務改善命令が発令された同日、西武信用金庫から以下の発表がありました。
要するに西武信用金庫自ら不正を認めているのです。
この不適切な行為の問題は
融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠であるとされていた
経済的耐用年数を用いた築古物件への融資は、国交省や不動産鑑定士協会もバックアップしていた
しかし、ある時期から金庫職員が外部専門家に対して耐用年数や修繕費用等を指示・示唆していた
結果として担保価値に見合わない過剰な融資を反復的に実行していた
この不適切な融資を受けた債務者は融資を受けた時点で債務超過で出口なし
私はこの不適切な融資の被害者の一人であると確信し、その被害の回復を求めて活動しています。
金融庁に対して情報開示請求を行うのと平行して、不正の共謀者である不動産の専門家(私のケースでは不動産鑑定士)への追求を行うために自分は何ができるか?を考えてみました。
今回の事例において、多くの方がまず最初に頭に浮かぶのは「詐欺」でしょう。ただ、一口に詐欺と言っても民事の詐欺と刑事の詐欺(詐欺罪)の2つがあります。そしてそのどちらにおいても成立要件の立証が異常なほど難しいのです。
簡単に言えば、詐欺とは騙されて金品を取られること。しかし、この手の不正融資においては対価の報酬として不動産が手元に残ってしまいます。
不動産には定価がなく、売り手を買い手の間で合意すればいくらであろうと売買が成立します。時価1,000円の土地を1,000,000円で売買しても両者合意の上であれば何ら問題はないのです。
現実問題として、不正融資において金融機関を相手取り詐欺による損害賠償請求、または詐欺罪による刑事告訴はほぼ不可能でしょう。
私も何度かトライしてみましたが、弁護士、警察ともに門前払いでした。
相手は百戦錬磨の金融機関、自ら不利になるような売買契約書など作るはずがなく、あくまでも両者合意による正当な取引であったことを契約書で立証してきます。
実際、スルガにしてもアルヒ・アプラスにしても詐欺(詐欺罪)による裁判は1件も行われていないと思います。
今回、私が対象としているのは金融機関ではなく不動産鑑定士。対価の報酬として不動産鑑定書があるため、いくらその内容がインチキだったとしても、それだけで詐欺(詐欺罪)を主張するには無理がありました。
では他になにがあるのか?色々調べた結果、刑事罰もある
不正競争防止法
これならハマるのではないか?と考えさらに深掘りしてみました。
国家資格である不動産鑑定士。そして法律により不動産鑑定士にしかできない業務とされている不動産鑑定。そこに不正があったとするならば不正競争防止法違反
⑧品質誤認惹起行為(20号)
に該当するのでないか?と考えました。
その裏付けを取るべく、いくつかの相談窓口に連絡したところ、どこだかは覚えていませんがそのひとつから
「不正競争防止法は経産省の管轄。であれば知財総合支援窓口で対応してもらるのではないか?」
との回答をもらいました。
知財総合支援窓口?なにそれおいしいの?
見たことも聞いたこともない単語なので早速調べてみたところ、、、
サイトを見る限り、無料で様々な相談ができるようです。ただ、この件は利用方法としてちょっと違う気もします。それでもダメ元と思って問い合わせてみると
「不正競争防止法の法的用件を満たすかの確認ですね?大丈夫ですよ」
ということで2020年9月、アポを取って早速利用してみました。
ただ、最初のアポでは弁理士しか予約が取れず。弁理士だってそれなりの専門家なのですがそこはやっぱり弁護士の意見も聞きたい。ということで結局2回利用してきました。
その結果、お二方ともに
品質誤認惹起行為と認定できる
(私の説明を聞いた聞いた限り、及び私の手元にある資料を見た限りにおいてという条件付)
「出るところに出れば戦える」
この裏付けが取れたことは、少なくても私のメンタルを維持することにおいては大きな効果がありました。
ただ、いくら専門家のお墨付きを得ても、それをもって刑事告訴・告発したところで警察が受理を拒むことは容易に想像できます。警察は、知能犯的な犯罪に対する被害届や告訴・告発の受理にはとても後ろ向きなのです。過去の経験上「そんな相談があったことは記録しておきます」まででしょう。
このような詐欺的な事案よりも店舗でお菓子の万引きに対する取り締まりのほうがよっぽど積極的なのです。その理由は被害者と加害者、そして刑法に違反している事実がその場で明らかだからです。
警察に受理させるにはもっと事実の積み重ねが必要だと考え、この時点ではまだ動かないことにしました。
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