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Vol.12 自己破産の危機から脱却

2019年5月24日、金融庁が発令した業務改善命令によって明らかとなった西武信金の不適切(不法?)な融資。


<業務改善命令>
第2.処分の理由

当局による立入検査の結果や信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第24条第1項に基づき求めた報告を検証(注)したところ、金庫は業績優先の営業を推進するあまり、内部管理態勢の整備を怠った結果、以下のような問題が認められた。

(1)投資用不動産向けの融資にあたり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている。

i. 融資実行を優先するあまり、融資審査にあたり、投資目的の賃貸用不動産向け融資案件を持ち込む業者による融資関係資料の偽装・改ざんを金庫職員が看過している事例が多数認められる。

ii. 投資目的の賃貸用不動産向け融資について、融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である中、経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為が多数認められる。

https://lfb.mof.go.jp/kantou/rizai/pagekthp027000005.html


さらに、業務改善命令が発令された同日、西武信用金庫から以下の発表がありました。


(注)なお、現状当金庫で把握している計数等は以下のとおりです。
○ 投資目的の賃貸用不動産向け貸出案件を持ち込む業者による融資関係書類の偽装・改ざんを当金庫職員が看過してしまった可能性が高い件数
当金庫の認識では127 件です。そのうち、当金庫が、債務者と面談して調査した結果、何らかの偽装等があったと認められる件数が73 件ございました。その他については、引き続き確認を実施してまいります。

○ 経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、当金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為と思われる件数
現存する18 か月間のメールでのやりとりからは258 物件あると確認しています。この期間内の同書面の数との比較では約1 割に相当します。


要するに西武信用金庫自ら不正を認めているのです。


この不適切な行為の問題は


  • 融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠であるとされていた

  • 経済的耐用年数を用いた築古物件への融資は、国交省や不動産鑑定士協会もバックアップしていた

  • しかし、ある時期から金庫職員が外部専門家に対して耐用年数や修繕費用等を指示・示唆していた

  • 結果として担保価値に見合わない過剰な融資を反復的に実行していた

  • この不適切な融資を受けた債務者は融資を受けた時点で債務超過で出口なし


私はこの不適切な融資の被害者の一人であると確信し、その被害の回復を求めて活動しています。




弁護士に債務整理を依頼したものの、まずは税金を収めないことには


税務署からの差押え → 保有不動産全ての競売(または任意売却) → 自己破産(または個人再生)


こんな状況であることには変わりありません。
そして弁護士に相談した結果、その時点で取れる手段も限られていることが明白となって初めて家族に状況を説明しました。

結婚してから30年以上ですが、それまで私が家族に対して金銭的な不安を与えたことは一切ありませんでした。23区内にマイホームを購入、旦那はゴルフやサッカー三昧で車をコロコロ乗り換える、子供二人を私立大学に行かせる程度以上の稼ぎはあったのです。しかし、ある日一夜にして


最悪は自宅も失って破産


と聞かされたときの家族のショックは計り知れないでしょう。

とりあえず状況を説明し、とにかく税金を何とかしなければならないことは理解してもらいました。すると、それまで私が一切感知していなかった定期預金があることを妻から知らされました。そのお金は妻が独身時代に貯めていたものや結婚後に老後資金として貯めていたものだったようです。
さらに既に社会人となっていた長男からも蓄えの一部を貸してもらえることに。
これらの協力により税金を完納することができ、少なくても直近での差押えからの自己破産という負のループは消滅しました。
これは私のメンタルにとても大きく響きました。正直、ここまで夜も眠れない日が続いていましたが、やっと少し落ち着けるようになりました。となると次に考えたのは


最悪でも自宅は残す個人再生


不正融資を受けた物件1と共同担保の物件2、この2つがそれなりの価格で売れ債務を解消できればよし、解消できないにしても相当圧縮できれば自宅は残したままの個人再生も見えてくるのでは?
また、並行して不正融資を追求していけば自然と次の道筋も見えてくるだろう、そう信じてとにかく次の一歩に進めることにしました。

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