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「春の少年」 一番小さな希望の詩
きっと 僕のとき から
きっと 僕のときから
消してみせるよ
と その少年は
にっこり と
笑った
ぼくの時からは
そんなの ないさ
そんな へんてこりんな
こと
武器なんて なくしてみせるから
ぼくの時代からは
他の子 や 動物くん の
いたいことなんて
させないさ
ぼくの時からは
消えちゃうんだ
怖いの ぜーんぶ
そう 叫びながら
少年は 夕暮れ道 を
歩いていく
少年は 毎日
この丘を通り
この夕暮れ道に差しかかると
興奮した様子で 叫んでいる
そんな ある日
山を守っている老人が
森から丘にでようとした 時
不思議な光景に出会った
とぐろを巻く蛇の中に
そこに ちいさな ねずみ家族が
6匹 チュー チュー と
藁と蛇の体の間で えさを食べている
へびが 時々 舌を伸ばしても
おかまいなし へびの
口元までいって チュー を
している
老人は それを見て にっこり と
ほほえんだ
木の上では その様子を
雀たちが 伺っている
山に本当の春が来るようだ・・
遠くで
少年の 口笛が
鳴って いる
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