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紹介が自然と増える|顧客の期待を超える「α値」という考え方

業種や業界を問わず、お客様からの「紹介を増やすこと」を意識している営業マンは多いと思います。

安定した成果を出し続けるためにも、定期的に紹介を頂けるようにしていきたいと思うのは当然のこと。

でもだからといって、お客様にお会いする度に

「紹介をください!どなたか、ご紹介頂ける方はおられませんか?」

と繰り返すのは、あまり良い方法ではありません。

それはイコール、「私は、自分の利益のためだけに仕事をしています!」とお客様に公言しているようなもの(笑)

また、会う度に「紹介して下さい!」と言われ続けるお客様の立場になってみるとどうでしょう?

あまり良い気はしませんよね。
(こういうことをするから、保険の営業マンは敬遠されてしまうのだと思います)

「紹介」は、互いの信頼関係の上に成り立つとても繊細なものです。

これまでにお客様が長い時間をかけて信頼関係を築いてきた、大切な友人や家族を紹介して頂くわけですから、軽々しい気持ちで紹介依頼をするのはあまりよくありません。

「日野さんを紹介したら、友人は必ず喜んでくれる!」
「日野さんはきっと、僕の大切な人の役に立ってくれる!」

そうお客様に思って頂ける行動や関わりを通じて、お客様の方から「ぜひ知り合いに紹介したい」と思って頂ける状況を作ることが、紹介を増やすための大切なポイントになります。


「α値」と「紹介」

お客様から「紹介したい」と思って頂く鍵となる要素を、私は「α(アルファ)値」と呼んでいます。

α値とは、投資の専門用語で「市場全体と比較して、個別株や投資信託(ファンド)のリターンがどれだけ上回っているか」を示す指標です。

α値がプラスの場合、その金融商品は市場平均よりも「超過リターン」の高い魅力的な商品であることを示しており、

プラスの値が大きければ大きいほど、運用側に「もっとここに投資してみよう!」という行動を促すことに繋がるわけです。

紹介もこれと全く同じ考え方です。

コンサルタントの実際のパフォーマンスが、お客様の期待や平均的な営業マンのパフォーマンスを大きく超えた時、お客様は感動し、

「もっとこの人と深く繋がっていたい」
「この人に何かお返したい」

という気持ちが醸成され、それが「紹介」へと繋がっていくのです。

期待を超えるα値の追求

お客様が初めて私のようなコンサルタントと面談される際、「保険の営業マン」という世間一般のイメージから、事前にこのような予想をされていることが多いと思います。

「保険の営業マンかぁ。ということは、きっと少しヒアリングしたらその後はすぐに自社の保険の説明をするんだろうな」

「多分今日は、保険はもしものために絶対に必要なものだという話をされるんだろうな」

このお客様の期待値を、いかに大きく超え、感動を生み出すかが、私達の腕の見せ所。

例えば、初回の面談を通して、

「自分が気づいていない本質的な課題にハッと気付かされた」

「新たな視点からの解決方法を提示され、目の前の霧が晴れた」

「こんなに自分のことを分かってくれる人には今まで出逢ったことがない」

そんな風に思って頂けるように、一回の面談に全身全霊で臨む。

その後も、

お客様が自社の経営の財務に関する課題をお持ちであれば、信頼できる会計士を紹介して財務戦略を一緒に考えたり、

営業に課題を感じておられるのであれば、時に私がレクチャーをさせていただいたり、場合によっては協業先を探して紹介したり…

お客様の課題を解決する方法を、真剣に考えて動いていくと、お客様は次第にこんな心境になっていかれます。

「日野さんを友人のAさんに紹介したら、日野さんはきっと彼の大きな助けになってくれて、Aさんも喜んでくれるはず。日野さんの仕事にも繋がるだろうから、ご紹介しよう」

そうやって紹介の輪がどんどん広がっていく。

つまり自分自身が、金融商品で言うところの「α値のプラスが限りなく大きい、魅力的な投資対象になる」状態をめざすことが大切で、

「紹介を増やすためにたくさん声がけをする」努力をするのではなく、

お客様の方から紹介したいと思っていただけるよう、α値を高められる」よう正しく努力すれば、紹介は自然と増えていきます。

ただしそのためには、以前の記事でも書きましたが、「for me」ではなく「for you(相手の立場にたって)」で動けるかがポイント。

自分の仕事のスタンスから整える必要があるということですね。

つまりは、販売代理と購買代理の考え方で言う「購買代理」のスタンスで、仕事に向き合っているかどうかが、結局は全ての結果を左右することに繋がるのです。

for youの姿勢は、結果的に自分に返ってくる


偉そうに申し上げましたが、私も最初からこれが出来ていたわけではありませんでした。

毎日本番を想定したロープレで練習し、
当時の上司から「日野さんは全然分かっていない!」と毎回叱られ、

その度に「何が違うのか、どこを直せばいいのか全く分からない」と悩んだり自信を失ったり…

それでも粘り強く続けてきた結果、この「α値」の考え方が言葉だけではなく体感として理解できるようになり、今に至ります。

どんな仕事でもそうですが、日頃からα値を高めることを意識して、お客様との信頼残高を蓄積していけば、多少のトラブルや予期せぬ出来事があっても、その関係性が大きく揺らぐことはありません。

そういった意味でも「for you」の気持ちで、あと一歩踏み込んだ仕事の仕方をすることは、結局は回り回ってしっかりと自分にも返ってくる。

紹介が増えないと悩む営業マンの方がおられたら、ぜひ、自分をα値の高い魅力的な商品にしていく意識で、仕事をしてみてはいかがでしょうか?


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