見出し画像

「営業マン」と「コンサルタント」の決定的な違いとは?

この仕事をする上で最も大切なのは、「どのような価値観(スタンス)で、お客様と向き合っているか」

これに尽きます。

前回の記事でも少し触れましたが、保険の営業マンの多くが「販売代理」というスタンスで仕事をしています。

お客様から「保険に入りたい」と言われたら「こんな保険がありますよ」と提案して販売し、保険会社から手数料をもらう。

そして最初の頃、まだお客様がいないうちは、親戚や友人に手当たり次第に連絡を取り、大切な人間関係を壊してまで、必死に売り込んでいく。

保険の営業マンに対して、このようなイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。

一方、私を含め、トップコンサルタントは「販売代理」ではなく「購買代理」という価値観で仕事をしています。

購買代理とは、お客様のビジョンや目標をしっかりお聞きして、ギャップや課題をお客様に認識して頂き、それらを解決するために金融商品が必要なのであれば、それを中立的な立場で提案していく。

まさに「お客様の購買を、手助けする」というスタンス。

ですから、お客様が必要性を感じられるまで、金融商品の話をすることは一切ありません。

そのため、私もこれまでに「あれ?今日は保険の話をされると思っていたのに、一切しないんですね」とお客様から驚かれることが何度もありました。


大切なのは、「やり方」よりも「あり方」

仕事において重要なのは、小手先のノウハウよりも、「本質的な価値観を整える」ことです。

この考え方を、最初に所属した外資系保険会社の上司に、徹底的に叩き込まれました。

営業ノウハウではなく「コンサルタントとしての価値観やあり方」を厳しく指導され、毎日夜遅くまでロープレを繰り返す日々。

「違う、全然分かっていない!」
「何度言ったら分かるんだ!」

と叱咤されながら、

「言われた通りにやっているはずなのに、何が違うのか…」「もっと具体的な営業のやり方を教えてほしいのに、こんなこと繰り返して意味があるのだろうか…」

と悶々とする2年間でしたが、今思えば、その期間を通じて、コンサルタントとして最も大切なことを教えて頂いたのでした。

お客様を、「お金の問題から救う」ということ。

皆さんは、「ラットレース」という言葉をご存知ですか?

働いても働いても、一向に資産がたまらないことをさし、回し車の中を延々と走り続けるハムスターになぞらえて、こう言われています。

今の世の中、この「ラットレース」状態に陥っている人が、とても多いように思います。

とはいえ、このこと自体が悪いというわけではなく…

様々な選択肢があることを知り、自分の状況を認識した上で「今、がむしゃらに働いている」というのであれば、問題ないと思います。

でも、自分が「ラットレース」の状態に陥っていることに気づかず、ビジョンや目標達成をしたくても、身動きが取れない状態になっている…

ということであれば、そこは、変えていく必要がありますよね。

そのようなお客様の人生の本質的な部分に対して問題提起し、「どのようにしてお金の問題から救ってあげられるかを徹底的に考え、一緒に解決していく

これが、私のコンサルタントとしての仕事なのです。

お客様の課題を解決する5つのステップ

今回、自分の頭の整理のためにも、私がコンサルタントとしてお客様の課題を解決するまでのステップを文章化してみました。

STEP1.ビジョンの共有
まずはお客様のビジョン・夢・理想の状態をお話頂き、共有します。

STEP2.ギャップの把握
ビジョンと現実の間には、必ず何らかのギャップが存在します。そのギャップにしっかりと目を向けて頂き、状況を把握していきます。

STEP3.レクチャーの実施
ギャップを解決し、ビジョンを達成するには、どうすれば良いのか。小手先の解決策ではなく、考え方、習慣、意識、あり方をまずは整えることについて、私が直接レクチャーさせて頂きます。

STEP4.選択肢の提示
何度もレクチャーさせて頂くうちに、お客様の中で行動や意識の変容が起こり始めます。そうして初めて、お客様は、具体的な解決へと動き出すことができる。

そこで、お客様の資産の状況などを見せて頂きながら「どのような解決方法があるか」「何がベストな解決方法なのか」考え、提示させて頂きます。

STEP5.お客様自身が選択
私が提示した金融商品を、購入するかどうかは、最終的にはお客様が決めることです。

私が決めるのではありません。

ですから、お客様の背中を押すことはあっても、無理に押し売りすることはありませんし、何なら、お客様がこれを買うとおっしゃっても、それは必要ないと言ってお断りする場合もあります。

単に言われたものをお客様に売るのではない。
自分の数字のために、売りたいものを売るのでもない。

お客様にとってベストな選択肢は何か、プロの知見で中立的な立場でお伝えするのが、コンサルタントとしての大切な役割なのです。

以上の5つのステップをご覧頂くと、私が「自分自身はコンサルタントだ」と言っている意味が、少しお分かりいただけたのではないでしょうか。

とはいえこれは、保険の世界に限らず、どの業界の営業マンにもあてはまること。
「購買代理」という価値観で仕事をしている方は、どんな業界でも成功していかれます。

この大切な価値観を、最初の2年間で、叩き込んでくれた上司には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

私も、初心を忘れず改めて襟を正して、日々の仕事に向き合っていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?