互いに学び合い、高め合える関係性|有限会社コミヤマ工務店 込山さんとの対談[後編]
前回に引き続き、有限会社コミヤマ工務店の代表取締役社長、込山さんとの対談をお届けします。前編と合わせてお読みいただくと、より深く理解していただけると思います。
『みんなでつくってきた会社』だからこその決断
日野:込山さんの会社では、後継者についてはもう決まっていましたね。
込山:はい、社員の中に「この人しかいない」と思える人物がいます。彼は元々はうちの協力業者の営業マンだったんですよ。
日野:そうだったんですね。どのようにして自社に迎え入れたのですか?
込山:実は、時間をかけて口説き落としたんです。当時、彼は一から家を建てる仕事には携わっていなかったので、うちで働くことの魅力を熱心に伝え続けました。
一番の口説き文句は、『これはお父さんが作ったお家だよ』と自分の子どもに自慢できること。
「道を歩きながら、そんな自慢ができる仕事って、他にないよね」とも伝えました。そんな話を2年ほど根気強く続けたんです。
日野:長期戦だったんですね。
込山:そうなんです。そしたらある日突然「社長、あの話まだ生きていますか?」と彼から声をかけてくれたんです。嬉しかったですね。
日野:あとは込山さんの想いも込めて、すべてを譲渡するのみですね。
込山:そうですね。後進も育ってきているので、私がいつまでも居続けるのも良くないですからね。信頼できる社員がたくさんいますから、「あとは任せた!」という気持ちでスパッと身を引きたいなと考えています。
また、私にとっては『みんなで築き上げてきた会社』という想いが強いんです。だからこそ単に血縁関係だけで決めるのではなく、会社の理念を理解し、社員との信頼関係を築ける人物を選びたいと考えていました。ですから、このような形で後継者を決められたことを、とても嬉しく思っています。
『お互いが』良い情報を与えあえる関係性
日野:事業承継から引退までの計画をしっかり立てていらっしゃるんですね。さすがです。
込山:いえいえ、ここまで来られたのは日野さんのアドバイスのおかげです。本当に感謝しています。
日野:ありがとうございます。でも、実は私の方こそ込山さんから多くのことを学ばせていただいているんですよ。経営者としての生き方はもちろん、不動産に関してもプロの視点から貴重なアドバイスをいただきました。こちらこそ、本当に感謝しています。
そして、この関係性が私たちの仕事にも良い影響を与えてくれていると感じています。例えば、込山さんが信頼されているお客様を私達に紹介してくださったり、私達からも込山さんにお客様を紹介させていただいたり。こういったやり取りを通じて、お互いに価値ある情報を自然に共有できる関係が築けているんだなと実感しています。
込山:そうですね、私もお役に立てているなら嬉しいです。
日野:込山さんの素晴らしい点は、様々な面でバランスが取れていらっしゃるところですね。ご家族を大切にされながら、ご自身の健康にも気を使い、経済面の勉強も怠りません。そして、社会的なコミュニケーションもしっかりとされている。私も見習わないといけないですね。
込山:いやいや、私は普通のことをしているだけですよ(笑)。ただ、そう見えるとしたら、それは日野さんの存在が大きいからです。日野さん達がいつもそばにいると思えるから安心して色々なことに取り組めているんだと思います。日野さんや日野さんの仲間の方々は、私にとって、それくらい心強い存在なんです。
『出会い』や『対話』が広げる可能性
日野:人生って、「誰と出会って」「どんな話をするか」で大きく変わるものだと思うんです。これは経営の世界でも同じこと。込山さんを見ていると、そのことがよくわかります。
込山:経営の世界でも、ですか。
日野:そうです。例えば、込山さんと私が出会い、経営について深い対話を重ねてきたことで、込山さんの経営に対する考え方が変わりました。その結果、会社の運営方法にも変化が生まれたんです。
そして会社の財務管理を改善したことで、金融機関との関係がより良好になりました。また、社員さんの能力を深く信頼するようになり、多くの仕事を任せるようになりました。さらには事業承継の準備まで始められた。
こうした込山さんの変化を目の当たりにして、私は改めて気づいたんです。人との出会いや深い対話が、一人の経営者を、そして会社全体を大きく変える力を持っているということを。込山さんの姿を見ていると、まさに「変革者」という言葉がぴったりだと感じます。
込山:いやいや、そこまで大げさに言わないでください(笑)。私は本当にそんなたいした人間じゃないんです...。実際、何度も迷いましたし、経営の軸がブレそうになったこともあります。ここまで来られたのは、日野さんたちが伴走支援してくださったおかげなんです。
期待に応えたいからこそできる『成長』
込山:特に大きな支えになったのは、毎月の売上を一緒に見て話し合えたことです。単に数字を確認するだけでなく、その背景にある要因を分析し、次の戦略を立てる。この継続的な対話が会社の成長につながったと感じています。おかげさまで、今は会社経営も順調です。
日野:素晴らしいですね!原理原則をしっかりと守り通すところは、本当に込山さんの魅力だと思います。例えば、「みんなで築き上げてきた会社」という想いを大切にし、それに基づいて事業承継を考えておられる。そういった姿勢が社員さんの信頼につながっているんだと思います。
込山:ありがとうございます。でも、これも社員みんなが頑張ってくれているおかげです。私自身は本当に凡人で、特別な才能なんてありません。できるのは努力だけです。
日野:その謙虚さこそが込山さんの強みですよ。事業承継についても、考え方や在り方、存在も全部含めて承継するだけ。込山さんはその準備はもう万端で、不安なところは何もないと思います。
込山:日野さんがそばにいて支えてくれるから安心ですね。
日野:私は保険を単なる商品ではなく、一種の顧問料のようなものだと考えています。つまり、保険の提供だけでなく、込山さんの事業全体を見据えたアドバイスや支援を行うことが私の役割。
そのために日々勉強し、自己研鑽に励んでいます。実は、こうして込山さんと関わることで、私自身も大きく成長させていただいているんです。
込山:そう言っていただけると嬉しいです。日野さん、最後まで頼りにしています!
日野:こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
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最後までお読みいただきありがとうございました。今回は2度目の対談記事となりましたが、いかがでしたでしょうか。この対談を読んでくださった皆さまに、「信頼し合える関係がどれほど大切か」、そして「本当の意味での成長とは何か」について、少しでも感じ取っていただければ嬉しく思います。