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サトウ語録その1 「ヤマグチ君は黒い馬」


同僚にサトウさんという人がいる。
彼はその名の通りれっきとした日本人なのだが、少し変わった経歴を持つ。
親の仕事の関係で東南アジアで生まれ育ち、高校でオーストラリアに留学、大学を機に日本に来たといういわゆる帰国子女だ。

とは言っても両親も日本人の為、もちろん日本語もペラペラで英語の他にもいくつか操れる言語があるのだが、彼の言葉に対する姿勢はなかなか面白い。

日本語、外国語問わず新しい単語や慣用句、言い回しなどを知ると、耳で聞いた音のまま覚え、そしてそれを自分もすぐに使ってみたくなる性格のようだ。とってもいい姿勢だとは思うのだが、ゆえに聞き間違いや言い間違いもかなり多い。そしてそのニアミス具合がなんとも面白いのだ。


言葉が大好きな私は、そんなサトウさんの愉快な言い間違いを聞く度、日々それを記録している性格の悪い同僚である。
そしてそのメモをたまに眺めては思い出して、勝手に和んでいる。

ちなみに本人にも私がサトウさんの言葉をコレクションしていることを正直にお伝えしているので、陰湿なイジりなどではないことは述べておきたい。
名作が生み出された時にはきちんと「おっ今のは殿堂入りかもしれません!」などと偉そうにレビューし、サトウさん自身も「いやぁまた新しい言葉を作っちゃったなぁ」なんてまんざらでもなさそうにしている。


外側から聞いても全く面白くもないかもしれないが、だいぶコレクションが増えてきたので、ここにサトウ語録をひっそり公開していきたいと思う。



サトウ語録その1 「ヤマグチ君は黒い馬」


社内の独身者の中で、誰が一番早く結婚するだろうかという話をしていた時のこと。

同僚A「でも、サトウさんは彼女いるからもうすぐじゃない?」

同僚B「そうだよね〜。でもマキノさんとかも、意外に実は先月結婚しましたとか言い出しそう。」

サトウ「僕はヤマグチ君がブラックホースじゃないかと思います!


サトウさん、多分それはブラックホースではなく、ダークホースです。
ブラックホースは、ただの黒い馬です。


なんとなく意味が通じた社内は「確かに〜」と和み、私は密かにそのやり取りを聞きながら、しれっと仕事をしているフリをしつつ会話をメモに保存した。

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