プラダを着ない悪魔
以前勤めていた職場には、プラダを着た悪魔がいた。
職種は違ったが、あの某小説や映画に出てくる女編集長をまさにそのまま再現したかのようなディレクターだった。
ただしプラダは着ていない。
ちょうど年齢も同じくらいの女性で、私は数年彼女のもとで働いたのだが、その強烈ぶりは今でもよく覚えている。その彼女に、
「北海道と沖縄の子はたいてい仕事ができない、もしくはできるように育てるのが他の人よりもかなり大変。」
というようなことを言われたことがある。
彼女曰く「北海道と沖縄は東京と時間の流れが全然違うから」だそうだ。
確かに彼女はとにかくせっかちな性格で、常に頭をフル回転させバタバタと生きているように見えた。
せっかち過ぎてものをこぼしたり、日本語とも英語ともつかない早口で指示を出したりするので、かえって時間がかかるハメになる時もあったが、多くのことは彼女のそのスピード感と、とにかくすぐ動き出す決断力、実行力のおかげで、信じられないほど早く進んでいく仕事もあった。
そんな彼女は私にこう言った。
ここから先は
511字
この記事のみ
¥
100
サポート、嬉しいです。小躍りして喜びます^^ いただいたサポートで銭湯と周辺にある居酒屋さんに行って、素敵なお店を紹介する記事を書きます。♨🍺♨