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バトンタッチのエスカレーター


うだるような暑さとはまさにこのことだ。
外に出てからまだ10分ほどしか経っていないというのにすでに顔中に玉のような汗が吹き出し、首元をつつーっと水滴が流れていくのを感じる。

日陰もない駅までの通りを修行僧のような顔でただただ歩く。
あぁ、赤になってしまった。
こんな炎天下の中、逃げ場もない横断歩道で信号待ち。
ただでさえ歩いているだけでダラダラと汗が流れていくのに立ち止まると風すら切れなくなり、サウナで「あと一周...」と12分計を睨みつけている時と同じような気分で「止まれ」のピクトグラムの横にある少なくなっていく赤い粒のような光を見つめる。

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