濡れ衣でレインボービームを浴びせられた私
もう少しで帰宅ラッシュというくらいの時間。
出先からオフィスに戻るところだった私は総武線に乗っていた。
車内はなかなかの人で、座席の次に人気のスポット(?)であると思われるドアの両サイドにももれなく人がいる。
さてどのへんにいようかな。すぐ乗り換えだからそんなに長いこと乗らないし...。そう考えた私は奥には進まずにドアの近くに立った。
袖壁っぽくなっている座席の端を背もたれにしてドアの前に立っていた女性が、私が横に来たのを察知して、ちらりと一瞬こちらを見る。
かなり大きめのサングラスに黒いマスク、全身黒い服。そしてあれは、ヘッドホン…だろうか、なかなかいかつい大きさの電子機器っぽいものを首にかけている。
年齢は...40,50代くらいかなぁ。長く伸ばした黒髪の生え際がうっすらと白くなっている。なんか...服装と持っているものだけで勝手に命名すると、近未来の魔術師って感じだな...。
なんて、窓の外を見るような感じでぼんやりと目の前の女性を見るでもなく眺めていると、私の隣に立っていた男性がふいにくしゃみをした。あの、なんていうんだろう、口を完全に閉じ切ってするちょっと不発っぽい音のくしゃみ。
おじさん特有の「ぶぇ〜くしょ〜い!こんちくしょう!」みたいな盛大な感じじゃなくて、プシッ!みたいな。(実際にこんちくしょうと言ってる人に遭遇したことはないけど)
私もそういう感じのくしゃみをするタイプなので、いつも「それ鼻と耳にすごい圧がかかって良くないからやめた方がいいよ」と心配されたり「そんな我慢してるみたいなくしゃみですっきりするの?もっと思いっきりすればいいのに」なんて言われることもある。
なんで隣にいた見知らぬおじさんのくしゃみについてこんなに細かく説明しているかというと、この後、このくしゃみによって私に災難が降りかかったからである。
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