疲れたときほど、メシを作る
つまるところタイトルの通りなのだけれど、
何となく、気持ち的にぐったりしてしまったときは料理をする。
身体が求めているとでもいうのだろうか、兎にも角にもできたてアツアツのおいしいメシを摂りたい。
そして自分が食べたいものは自分で作りたい。そうしたら摩耗したMPが回復するかも──。そんな気分になるのだ。
たとえば今は在宅ワークをしているので、こんなとき。
昨日の作業ミスを発見し、修正作業に追われ肝を冷やしたとき。
チャットでの作業指示がうまく伝わらず、返信に気をもんでいたら午前中が終わっていたとき。
仕事に集中したいのに、何もせずぼーっと時間を過ごしていたとき。
他にも様々、「これは…どうしようかな。うん、どうしようかなあ…」と。思わず遠い目になるようなとき。
12時を若干過ぎた頃。(うんうん悩んでいると12時を10分弱過ぎてしまう)
私は仕事部屋の自室から飛び出し、台所に立つ。
ランチメニューはたいていパスタ。
私の腹の虫がひっきりなしに「パスタが食べたい」と鳴くからだ。
少し前はカルボナーラで、今はペペロンチーノをひたすらに作っている。
タッパーに水、オリーブオイル、塩、適当に余っているスパゲッティを適当な分割って入れる。電子レンジでチン。
その間にフライパンと、具を準備。じゅうじゅう焼く。
チンが鳴ったらタッパーから茹で汁を掬ってできているか定かでない乳化を試みる。
スパゲッティはまだ少し硬いのでもう一度チン。
スパがちょうどよくなったらフライパンへ投入。具と混ぜながら加熱。ぐるぐる。
いつも塩気が足りないので塩を入れたり、茹で汁を追加したり。
この辺はまだよい塩梅を探し中だ。
できあがり。これはペペロンチーノ。
そしてすぐさま食べる。
なんでもそうだけど、特にパスタはあったかいうちに食べたほうがおいしいらしい。(乳化が解けてしまうだとか)
この時点ではらぺこあおむしなので意図せずともせっせと食らいつく。
ふと目に入ったきつね色のにんにくの形に、自分が切ったにんにくを想起して。
ぺろりと食べ終わる。
常々思うのだけど、作るのはそれなりに大変なのに、食べるのはあっという間だ。
この時点で12:45くらい。昼休みの残り時間はあとわずか。
昼食をカップ麺で済ませていればもっと早く食べ終えられるし、その分シエスタ(昼寝)をしたり、リラックスする時間をとれる。
でも、そうはしない。したくないときがある。
疲れているときの料理ほど、心に効くなあと思っている。
「する」のも、「食べる」のも。
できたてのおいしいものを想像しながら手を動かして、一人前の”メシ”を形にして。
ちょっとせわしないのけど、
自分の作ったものはたしかにおいしくって。
また午後もやるしかないことをやっていこう、
まーいっちょがんばりますか、と心がおさまる。
というわけで、何となく気持ち的に疲れてしまったらふらっと料理をしているよ。
もちろん料理どころじゃなく疲れているときもあるので、そんなときはすかさずチキンラーメン。
「すぐおいしい。すごくおいしい」は伊達じゃないです。
料理する、料理を食べる、といったような「生きていくこと」、つまり「生活」は案外奥が深い。
ときおりとてつもない面倒臭さがおそってくるけど、
うまくつきあえば楽しいし、豊かさに近付ける、かも。