大学生らしく見える男の子

大学生らしく見える男の子がいいます。「国の官僚が、インターネットに被災地をディスる書き込みをしてたんだって」。

「へぇ、何でそんなことするんだろうね」。大学生らしく見える女の子が答えます。「きっとエリートなんだろ」。「でも、それって、人としてどうなのよ」。

男女の会話は、そこで途切れました。恋人同士らしく見える彼等の、何でもない会話。声高な非難ではなく、正義を振りかざす様子もありません。

ただ、ひどいコトを「ひどい」と表明し、確認し合える２人の日常が、何だかとてもまぶしく見えました。

真のぜい沢というものは、ただ１つしかない。それは、人間関係のぜい沢だ。

（サン・テグジュペリ）