際限なく広がる空間や、変化極まりない外界の現象に悩んだ古代人は、抽象的な形を作り出した、といいます。ピラミッド等がその典型です。
混とんとする外界に対する強い恐怖から逃れる手段として、規則と調和の中に身を置いて、心の安寧秩序を保っていた、と想像されます。
逆をいえば、過剰な規則と調和に囲まれて暮らす現代の私たちは、むしろ混とんや無秩序の中に心の安寧秩序を得たりします。
週末という一昼夜でそれを手に入れる差し当たっての方法として、私たちは、瀬戸内の海の、そのエフ分の1揺らぎを飽かず眺めていました。