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鶏がらスープの瓶を棚に見付けて

鶏がらスープの瓶を棚に見付けて、それをテーブルに置いて、しばらく考えている。大丈夫、まだ消費期限は、切れてはいない。でも、蓋が開かない。

「何もこんなに、親の敵みたいにキツく締めなくても」と、恨めしく君を思う。「開ける人のことも考えて締めといてくれなきゃ」と。

「常温で保存してください。また、湿気にはご注意ください。開封後は、湿気の少ないところに保存し、早めにお使いください」。

先刻から、瓶の注意書きばかりを眺めている。君の取扱方法を間違えていた、といわれた気がして、この部屋に君が残していった鶏がらスープを眺めている。

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