名松線
名松線は、1927年に松阪市から着工され、8年掛かってようやく伊勢奥津駅まで開通しました。「名松線の「名」ってのは、名古屋のことですか」。
地理に疎い私が聞きます。「いや、名張です。元元この線は、名張まで延伸する計画だったんだけど、中止されて今に至ります」とMさんが教えてくれました。
私たちからは、開け放った窓の外を流れる景色を見詰める若い運転手が見えました。その端正な横顔は、何かの歌を口ずさんでいる風にも見えました。
その声は、私たちには届きません。「歌っている」と思う根拠といえば、鉄橋を渡る電車から見えた雲出川の流れが鮮やかに美しかった、それだけのことです。
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