Eさんは、役所の相談窓口を訪れていました。これから始まる抗がん剤治療中には、在宅療養も必要になります。だから、地域の医療連携について知りたい。
「2人に1人ががんになる時代」といわれる割に、相談員から得られる情報は、お座なりです。でも彼女は、親身に話し、同情し、励ましてもくれました。
聞けば、彼女もがんサバイバーなのだとか。「大変だけど、希望を失わないでね」とは、あるいは、過去又は今の彼女自身に向けた言葉なのかもしれません。
「この人も、つらい治療を経験したんだろうな」。彼女からの激励を一身に受けながら、むしろかえってEさんのこれからに不安がよぎります。