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死に装束
死に装束にも似たガウンを着せられて、検査台の上に横たわっていました。台が筒状の装置に吸い込まれ、斎場で火葬炉に吸い込まれる自分を連想します。
その装置は、強力な磁場を発生させるコイルで覆われたトンネル型の構造になっていて、筒の中の私は、棺おけの中の死体のように身動きが取れません。
身体を周回するゴンゴンという騒音を聞きながら、思います。この不快なコイル音は、今の科学技術の限界か。あるいは私の脳との対話のための効果音なのか。
棺おけの蓋をくぎで打ち付ける儀式のこと等を思い出し、「死ぬ瞬間とは、こんな感じか」と思索にふけりながら、気付けば眠りに落ちていました。
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