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#2101060

T君へ

昔、妻と離婚して出家し、「木食」の修行を積んでいた男がありました。周囲からは、「木阿弥」などと呼ばれて、一目置かれていました。

ところが、年老いて心身が弱ると、妻のところに戻ってしまいました。人々は、「せっかく積んだ修行が無駄になった」とバカにした、といいます。

でもね、私は、きっと木阿弥は、いい僧侶になったと思うし、何より妻と一緒に幸せに暮らした、と想像します。

このカイシャでのT君の4年間も、きっと今後の糧になると思うし、田舎に戻って仕事に就いても、それは「元の木阿弥」ではないと思うんだ。

幸多かれ、と祈ります。

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皮膜
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