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#1202096

M様

お手紙をありがとうございました。私もまた、残されてしまったことに後ろめたさを感じ過ごしていました。時の経過とともに彼の面影が薄れていくことにも。

そしてまた、あるいは後ろめたさから逃れたくて自分がそうしているのではないか、という疑いもまた、後ろめたさを感じる理由でした。

「忘るるといふにはあらね意識して焦点を移すことに慣れゆく」。大西民子という人の歌にあります。どんな気持ちでその歌を詠んだか、詳しく知りません。

けれど、残されて生きる今の私は、その歌に救われている気がしています。私と同様、残されて生きるMさんにも何らかの慰めになれば、と願います。

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皮膜
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