年末の大掃除とはいかなくとも小掃除くらいはしよう、と思い立って、ゴミの選別をしています。シェルフの奥からは、使い切れない数の紙袋が出て来ます。
「こんなん取っといて、いつ使うねん」と自分に突っ込み、そして苦笑いします。それは、昔、私が母親に突っ込んだ言葉でした。
「そりゃ、いつか使うよ。人に何かプレゼントする時とかに」。母親は、断言しました。私は、そういう母親の貧乏臭い性分を毛嫌いしていました。
でも、私の目の前には、紙袋の山があります。そうやって記憶は、形を変えながら私と共にあります。それが時には負担となり、時には救いとなります。