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美術館で

美術館で実験が行われました。「絵画を鑑賞してそのうち何点かは写真撮影するように」と被験者に指示し、翌日、自分が見た作品を思い出してもらいました。

結果、撮影した作品ほど記憶に残りませんでした。脳は、他の場所に保存されている情報を記憶する必要がない、と判断する。デジタル性健忘症といわれます。

美術館に限らず、写真を撮る行為が目的となり、カメラの向こう側の事物や風景、そして人間とじっくり向き合う時間を削っている私たちがいます。

でも。カメラ越しの対象の記録ではなく五感で直接感じた記憶の方が、ずっと鮮明に心に残っている。私たちは、本当は体験を通じてそのことを知っています。

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皮膜
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