今年の4曲目
今年の4曲目、中島みゆき詞“伝説“、聴きました。
歴史上の人物や、具体的な事物・事件等に関する言い伝え。「伝説」について、辞書はそう定義します。
その意味でいえば、伝説や歴史を言い伝える人は、いつも、その当事者ではなく、他人なのです。当事者の口出しは、いつも許されません。
「美談だぁの、哀れだぁのと持ち上げるのも他人の都合なら、『ばーかみたい』の一言で蹴り落とすのも他人の都合だがね」。
伝説とは、言い伝えられる当事者にまつわる物語のように見えて、それを言い伝える他人の都合による物語なのであって、当事者は、いつも置き去りです。
伝説
風につづるしかなかった手紙 あなただけは読んで
雪でつくるしかなかった形見 あなただけは抱いて
記された文だけがこの世に残ってゆく
形ある物だけがすべてを語ってゆく
叫べども あがけども だれがそれを知るだろう
だれも だれも だれも…
だれのことづてをあなたは聞くの はるか時の彼方
だれの面影をあなたは見るの はるか霧の彼方
浮きあがる花だけを流れは運んでゆく
声高き鳥だけを季節は辿ってゆく
願えども あがけども だれがそれを知るだろう
だれも だれも だれも…
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