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#1402111
お殿様にそっくりな声を持っていた木阿弥は、主君の死を隠すために影武者として数年間を過ごした。ぜい沢を享受し、多くの人に敬われる日日。
でも、若君が成長すると、彼は、お払い箱になり、元の僧侶に戻った。この出来事が「元の木阿弥」という言葉の由来となった。
「一時よくなったものが再びもとのつまらない状態に帰ること」と辞書にはある。でも、木阿弥が元の木阿弥の人生をどう生きたか、私たちは、知らない。
幻のように消え去った栄華を惜しんで生きたかもしれない。あるいは、清清していたかもしれない。「つまらない状態」とは、外野の勝手な感傷に過ぎない。
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