オランダ坂(1)
オランダ坂を登りながら、君がいう。「子どもはね、心臓の力が大人より弱いでしょ、だから、一生懸命に心臓を動かして、体中に血を送らなきゃいけない」。
「なので子どもは、走り回るんだ」と。誰かの話の受け売りなのか、それとも君の持論なのか。私にはそれを詮索する気力が残っていない。
観光地の喧騒が自分をいら立たせる、と経験則では知っていた。だけど、この町なら大丈夫、という期待もあって、君の誘いに乗ってみた。
土産物屋、ジェラート屋、訳の分からないビーズのネックレス屋。観光地は、やっぱり大同小異で、この街もやっぱり私をフキゲンにした。
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