良い匂いのする水、あるいは高揚と陶酔を求めて
本や映画で「時間の研磨に耐えた古典さえ読んで、観ていれば良い。人生の時間は有限なのだから確実に良いもの以外を追う時間はない」という意見があるが、言いたい意図はわかるものの納得しかねる気持ちが長くあった。
現代において新たに生み出されるものは、自分が生きてきて、いま、ここにいることと世の中の混沌が交差する場所にある。
そこでしか見えない価値も生まれるはずであるのに、見る気もないと嘯く気には、どうしてもなれない。
現在は「古典を学ぼうとしないのは愚かであり、現代を無視するのは不誠