ひねくれ@育休中

算数の授業が好き。子どもが困り悩み失敗しながらも、学ぶ楽しさを実感する教室作りを実践中。「他人と違う自分を受け容れる、自分と違う他人を受け容れる学級経営」「社会で通用する強者を育てるよりも、弱者でも通用する社会をつくりたい」が最近のテーマ。

ひねくれ@育休中

算数の授業が好き。子どもが困り悩み失敗しながらも、学ぶ楽しさを実感する教室作りを実践中。「他人と違う自分を受け容れる、自分と違う他人を受け容れる学級経営」「社会で通用する強者を育てるよりも、弱者でも通用する社会をつくりたい」が最近のテーマ。

最近の記事

活動の終わりを決めるのは誰か

「子どもを『人間としてみる』ということ」を読み終えた。非常に面白かったので、ここから考えたことを忘れないように記しておく。 これは、イタリアのレッジョ・エミリアという町の幼稚園のスローガンらしい。 そういえば…息子の通っている幼稚園に参観に行って驚いたのが、活動の終わり方。先生が「終わりでーす」と大きい声を出して、終わりを告げるのではなく、自然と子どもたちが片付けを始め、いつのまにかお昼ご飯の用意が出来上がっていってる。あまりにも自然すぎて、最初は気づかなかったんだけど、

    • 「分からない」という敬意

      うちの子が通っている幼稚園がとにかく素晴らしい。でも、「何が素晴らしいか」ってのがうまく言葉にできない。というより、「分からない」が合っている気がしていて。 参観やお迎え等で、幼稚園に行くたびに、すごいなぁと思うことは何度もある(先生たちの関わり方とか、環境とか)。でも、僕には分からない「すごさ」も秘められている気がしていて。だからこそ、毎回幼稚園に行くのが面白いんだけども。(もちろん、我が子の幼稚園での振る舞いも面白いです)。 今、読んでいる本に「未知な世界を持つ他者に

      • 新年度の語り⑦「他人が嫌なことは他人にしない」

        4月からの学級経営を振り返って徒然と書いていきます。 自分自身の学級経営がどうだったのかを振り返る機会と来年以降につなげる意味で。 これ書き起こしながら、「からかう」とか「いじる」とかも同じだなぁと思いました。また、この辺もどこかで、子どもたちに話したいと思います。

        • 新年度の語り⑥「みんなと無理に仲良くしなくていい」

          4月からの学級経営を振り返って徒然と書いていきます。 自分自身の学級経営がどうだったのかを振り返る機会と来年以降につなげる意味で。3日目に伝えました。 大人だって同じ。大事なことを誤魔化さずに伝えていく1年間にしたいと思ってます。前回⑤の「1年間の宿題」と矛盾はしてないつもりです。(矛盾してても良いんですけど。)「この人と仲良くなれなそう」と思っても、何かがきっかけで仲良くなることもありますし、その逆もあるでしょう、人間関係なんて曖昧なものですから。無理しない(させない)こ

          新年度の語り⑤「1年間の宿題」

          4月からの学級経営を振り返って徒然と書いています。 自分自身の学級経営がどうだったのかを振り返る機会と来年以降につなげる意味で。2日目の学級開きの時に伝えました。  初任校で先輩に教わったものです、当時はあまり意味が分からず実施していましたが、今はなんとなく分かります。授業中に「課題に対して話し合う」のは意味のある話です。もちろん、それはそれで大事ですが、そうでない、「なんでもない時間になんでもない話をすること」って、人間関係を築いてく上でのきっかけになったりします。こちら

          新年度の語り⑤「1年間の宿題」

          新年度の語り④「自由と責任」

          4月からの学級経営を振り返って徒然と書いています。 自分自身の学級経営がどうだったのかを振り返る機会と来年以降につなげる意味で。2日目に伝えた内容です。  この自由と責任の話は、毎年、子どもたちから多くの反響をもらいます。これが僕の中では、学校教育の真実です。子ども達を管理したい大人は、自由にさせた時のトラブルを恐れているし、トラブルのリスクを恐れているからでしょう。だとしたら、「自由にしてもトラブルは起きない」「トラブルが起きたとしても、解決できる」ことを示すしかないのだ

          新年度の語り④「自由と責任」

          新年度の語り③「苦手なことを無理に頑張る必要はない」

          4月からの学級経営を振り返って徒然と書いていきます。 自分自身の学級経営がどうだったのかを振り返る機会と来年以降につなげる意味で。3本目。多分2日目に伝えました。 今年は思い切ってこう伝えてみました。多分、こんな感じ。継続して今も伝えています。こう伝えておくことで、「先生、実はこれが出来なくて…」と言いに来てくれる子も出てきました。でも、まだまだ「他の人と同じじゃないと…」「出来ない自分はダメなんだ…」と苦しんでいる子もいる気がしています。1年間かけて、他人と違う自分を受け

          新年度の語り③「苦手なことを無理に頑張る必要はない」

          新年度の語り②「私が言うことは、全て正しいわけじゃない」

          4月からの学級経営を振り返って徒然と書いていきます。 自分自身の学級経営がどうだったのかを振り返る機会と来年以降につなげる意味で。2本目です。初日に伝えました。初任校でお世話になった先輩に教えてもらったことを自分なりにアレンジして伝えています。 学級がうまくいかなかった時に、先輩に教えてもらった言葉が「あなたはあなたの価値観を伝えれば良い」でした。本当に今もそう思います。自分にできることは、それだろうと。そして、だからこそ色んな先生がいる意味があるんだろう、と。6年間、色ん

          新年度の語り②「私が言うことは、全て正しいわけじゃない」

          新年度の語り①「全員が楽しいクラスをつくりたい」

          4月からの学級経営を振り返って徒然と書いていきます。 自分自身の学級経営がどうだったのかを振り返る機会と来年以降につなげる意味で。ますは1本目。初日の最初に伝えました。学級通信にそのまま載せました。 毎年、同じことを伝えています、熱を込めて。「クラス全員が楽しい」これが、自分の原点な気がしています。「全員が」ってところがポイントで。一人でも「楽しくない」って思われるのは嫌なんです。言い換えれば、少数派をいかに大切にできるか。誰一人見捨てないってこと。あなたたち全員に対して、

          新年度の語り①「全員が楽しいクラスをつくりたい」

          「子どものための精神医学」を読んで②

          発達のことを専門的でありながら非常に分かりやすく書いてくれている書。子育てや学級経営、特別支援教育含め、他人との関わりにおいての根本を見直すことのできる良書。自省を含めて書きます。 今、私には2歳半の息子がいる。いわゆるイヤイヤ期に入っているのか、大人が「ダメ」ということをやりたがるし、全然言うことを聞いてくれない。 でも、そういうもんなんだと改めて思う。教員をしていると、子ども達が素直に教師の言うことを聞いてくれる場面が何度もある。そんな場面が続くと、万能感に陥ってしま

          「子どものための精神医学」を読んで②

          戦争と武力と平和

          今回のロシア軍の侵攻に対してNATOが動かなかったことで、「自分の国は自分で守らないといけない、だから武力をもつべきだ」「憲法9条をなくすべきだ」「核兵器を持つことを…」みたいな意見をネットで見かける。 短期的に短絡的に考えたらそうだろう。自分の国を守るために武力をもつべき。相手が殴ってきたら殴り返す。もう殴られないように、反撃する。もう殴られないように常に金属バッドを手元に置いとこう。 秩序のない世界では、「自衛するために武器をもつ」ことは正論だと思う。アメリカの家庭に

          戦争と武力と平和

          授業を数値で評価すること

          「授業を数値で評価すること」の何が良くないのか。ちゃんと言語化してみようと思う。というのも、私自身、塾で働いていた時に「数値で評価される」ことを経験しているからだ。子ども達がアンケートを取って、それを元に給与が変わった。当時は、それを当たり前だと思っていたし、営利企業なんだから、それはそれで良いのだとも思う。今回の争点は、公教育でそれをやって良いのか、という話。 授業を正しく評価することなど誰もできないまず、正しく評価することはできない、という点。教育の成果は、未来(何年後

          授業を数値で評価すること

          「子どものための精神医学」を読んで

          友達の小児科医からプレゼントしてもらった本。友達からもらわなかったらこの本に出会うことはなかったと思うと、不思議なもので。どんな本と出会うかで、人生観は変わっていく。まだ読んでいる途中だけど、新しい視点をたくさんもらえて、すごく面白い。読み応えも十分。 ほんとこれ。親の責任でも、学校の責任でもないんだろうな。 子育てで悩んでいる、苦しんでいる親を社会全体で支えていこう、という考えが抜けている。「責任は誰にあるのか」という思考では、子どもは救われない。 Yahooニュースで

          「子どものための精神医学」を読んで

          「複雑化の教育論」読書会〜希望の書〜

          読書会1回目を終えて、自分が考えたことを徒然と。 私は変わっている。Twitter上では、そうでもないかもしれないけれど、現場を見れば、まず変わった教師だ。子どもからも「先生、変わってるよね」と言われることも一度や二度ではないし、同僚からも「ひねくれてるなぁ」や「変わってるよね」と愛ある言葉もたくさん言われている。確実に少数派だ。 変わっていることを悪いことだとは捉えてないが(変わっていることは自覚しておきたいけれど)、それでもやっぱり不安になることもある。そんな少数派の教

          「複雑化の教育論」読書会〜希望の書〜

          複雑化の教育論

          実は、この本の第二講にあたる話を凱風館で内田樹さん本人の口から聞いていた。そのメモが、残っていたので、noteにあげてみる。(話を聞かせて頂いて考えたことです。) 単純化を求められる公教育 若い先生からベテランの先生まで、保護者から管理職まで、ありとあらゆる人たちが単純化を推し進めようという傾向にある気がする。もちろん例外の人たちもおられるが。「分かりやすい授業をしましょう」「課題はシンプルにしましょう」「めあてとまとめを板書して、この授業で何を学んだかはっきりさせましょ

          複雑化の教育論

          主体的な学びを進めるための9のコツ

          ①難しい課題を用意する 自分ひとりが分からないのは劣等感を感じる。 特に教科書の課題は、平均的な課題のため、学力の高い子には簡単だし、学力の低い子には難しい。そんな課題を1年間続けると、学力が低位の子は、「周りができているのに自分だけできない」という劣等感を感じる。 でも、みんなが分からない課題は考えたくなる。 「あれ?みんなも分かってないのか。ちょっと考えてみようかな」と。 分からないからこそ、不安だからこそ、交流したくなる。友だちの考えや説明を聞きたくなる。 (逆に分かり

          主体的な学びを進めるための9のコツ