20200803
夏休みだ。
といっても授業がないだけで、やらなきゃいけないことは多い。
研究のためのインプットを進める作業をひたすら続けている。
ここ数ヶ月、自分の興味のある分野を改めて考えてきた。
分かったことは、自分が好きなのは「人間」くらいのスケールのこと、ということだ。
学部時代、自分はミクロ経済学専攻だった。経済学で言う「ミクロ」とは、大体「個人」くらいを対象にしている。
「個人の行動と選好が〇〇で、それが何人か集まるから、こういう結果になる。」
みたいなのを学ぶ。たまに「企業」とかも出てくるが、まあ大体は、人間単位で考えればよい。
ゲーム理論は学んでいて結構楽しかった。その理由を改めて考えれば、「自分に置き換えて考えられるから」というあたりだと思う。
逆に、「政府」や「中央銀行」などがよく出てくるマクロ経済学には全く興味が持てなかった。だって、「僕は政府じゃない」から。スケールが大きすぎてイメージできないのだ。
大学院になり、いわゆる情報系になった今も、それは変わらない。変わったのは、相対的に、僕が「マクロ」側の人間になったということだ。
例えば、AIは結構「人間」寄りのスケールであることが多い。割と自由はきくが、自動運転や顔認識などは、人間と同じスケールの話をしているから、結構面白いと感じる。
しかし、IoTなどの分野はもっと小さい。回路をつないでどのように通信するだとか、センサーとCPUがどうやって動くかとかは、かなり細かい単位の話に思える。だから僕自身は、あまり深入りする気にはなれない。
一番顕著だったのは、コンピュータネットワークの授業。インターネットは多層構造をしており、ユーザが扱う層から、物理的な信号の層まである。それを上から順に勉強したのだが、扱うレイヤが下がるたびに自分の興味が減衰していくのを強く感じた。
この分野では、「人間」という単位はどうやら結構大きい方である。だから、ここでは、僕はマクロ側だ。
僕の研究室の主題は「スマートシティ」。とはいえ、その守備範囲は広く、AIとIoTの両方を扱う(もちろん、その間にまたがることも多い)。そのためメンバーの興味も色々であるが、その中では自分はかなりAI寄りだ。
しかし、学年が近く接する機会の多いメンバーは、IoT側に興味が寄っている人が結構多いように思える。だから正直、意識のズレも感じるし、申し訳ないが物足りなさを感じることも多い。
もちろんAI系・人間寄りの研究をしている人もいるのだが、そういう人たちは(僕も含め)どこにいても研究が進んでしまうから、このご時世では外に出ず、話す機会が少ない、ということもある。難しい。
まあ、例外もある。数学の理論やアルゴリズムなどだ。強引な気もするが、言ってしまえば、このあたりは「スケールに囚われない分野」という感じだろうか。頭の体操、という感じもするし、「人間を単位とする分野」に応用することもできるから(不動点定理がゲーム理論につながる、とか)、やってて飽きない、というわけだ。機械学習なんかもここに含まれるかもしれない。
そんなわけで、「(都市・公共交通)×データ」で研究したいな、と思っている今日この頃。なんか関連して話せそうな人がいたら、話してもらえると助かります。協力者求む。