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ソファ問題とマダラマルハヒロズコガの幼虫

2024年11月25日。
家の近くの公園にマダラマルハヒロズコガの幼虫を探しに行きました。

マダラマルハヒロズコガ $${Ippa  conspersa}$$
チョウ目 ヒロズコガ科

最近、下の「ソファ問題」のことを知って、「両手利きのソファ」という所の図を見た時、マダラマルハヒロズコガの幼虫の巣に似ている!と思ったからです。

ソファ問題(ソファもんだい)は数学の問題のひとつ。1966年にレオ・モーザー(英語版)によって問題が提示された。この問題は「L字型の通路を通り抜けることができる、ソファの面積の最大値 A を求めよ」という離散幾何学、数学パズルの問題である。

ウィキペディア「ソファ問題」
両手利きのソファの図(ウィキペディアより)

両手利きのソファの図(ウィキペディアより)

下は、マダラマルハヒロズコガの幼虫の写真です。
中央がくぼんで、薄っぺらいヒョウタンのような形をしています。

マダラマルハヒロズコガの幼虫の巣
マダラマルハヒロズコガの幼虫の巣

この幼虫は、アリの巣でくらす虫として、暖かい季節はアリの巣の入り口付近でよく見かけます。

下の写真は、2020年4月。埼玉県上尾市。
木の幹のアリの巣の通り道にいました。

マダラマルハヒロズコガの幼虫(木の幹にあるアリの巣の通り道)
マダラマルハヒロズコガの幼虫(木の幹にあるアリの巣の通り道)

下の写真は2023年7月。山梨県北杜市。
この個体もアリがくらす木の幹をよじ登っていました。

マダラマルハヒロズコガの幼虫(木の幹をよじ登っている)
マダラマルハヒロズコガの幼虫(木の幹をよじ登っている)

アリの食べ残しや、巣の周囲にいる小さな虫などを食べているようです。

寒い季節はアリの巣の中に入ってくらしているようで、今回も、公園にすむトビイロケアリの巣の2~10cmくらいの深さの所にたくさんいました。

マダラマルハヒロズコガの幼虫

たくさん捕まえた理由は、マダラマルハヒロズコガの幼虫の巣は、成長とともに大きくなるので、大きさを測って実験しようと思ったからです。

実験の内容は「マダラマルハヒロズコガの幼虫はL字型の通路を通り抜けることができるか?」です。

マダラマルハヒロズコガの幼虫の巣の大きさ
巣の大きさを計測する
マダラマルハヒロズコガの幼虫の巣は円を2つ合わせたような形
マダラマルハヒロズコガの幼虫の巣は円を2つ合わせたような形

画像編集ソフト上で試したら、巣の横幅よりほんの少し大きい通路なら、問題なく通り抜けられそうでした。

中央のくびれが無いと角を曲がることが出来ません。

マダラマルハヒロズコガの幼虫はL字型の通路を通り抜けられるか?
マダラマルハヒロズコガの幼虫はL字型の通路を通り抜けられるか?

ちなみに、中身の幼虫はこんな姿をしています。

マダラマルハヒロズコガの幼虫
マダラマルハヒロズコガの幼虫

冬休みに入ったら、実際にL字型の通路を作って、本物の幼虫が通り抜けられるか実験したいと思います。
また、アリの巣の中でどのような行動をするのか気になるので、来年の自由研究の題材にするのもありかなと思っています。

結果が出たらまた記事にします。


最後に、hydraenidsさん、実験についていろいろアドバイスありがとうございました。

おまけ

2024年9月。下は、今回のマダラマルハヒロズコガが同居するトビイロケアリの写真です。

トビイロケアリ(左)とヤノクチナガオオアブラムシ(右)

トビイロケアリ $${Lasius  japonicus}$$
ハチ目 アリ科

アリの右にいる変な虫は、ヤノクチナガオオアブラムシです。

ヤノクチナガオオアブラムシ $${Stomaphis  yanonis}$$
カメムシ目 アブラムシ科

このアブラムシは、木の幹にあるトビイロケアリが作った通路で暮らしていて、アリに守られています。

追記

Wikipediaを見たらソファ問題(Moving sofa problem)を解決したとする論文が、2024年11月29日に発表されたとあってびっくりしました。



下は去年に書いた記事です。


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