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ヒドラ

2024年12月。
水生昆虫の採集中にヒドラを捕まえました。

ヒドラは流れの緩やかな川や池にすみ、落ち葉や石にひっ付いています。
大きさは5mmくらい。

ヒドラ

ヒドラ
花クラゲ目 ヒドラ科 Hydraceae
※細かい種類は分かりませんでした。

クラゲやイソギンチャクの仲間で、ミジンコや小さな生き物を食べます。

何本もある触手には刺胞しほう(毒針)があり。
触手に触れた獲物を麻痺させることが出来ます。

ヒドラと同じ池にすむ、1~1.5mmの大きさのタマミジンコを、数匹与えてみました。

タマミジンコ

タマミジンコ $${Moina  macrocarpa}$$
双殻目そうかくもく タマミジンコ科

ヒドラの触手がタマミジンコに触れると、タマミジンコは即座に麻痺して、動けなくなります。
その後、触手の中央にある口に手繰たぐり寄せられて、丸呑みにされます。

タマミジンコを捕食したヒドラ

あっという間に、2匹がお腹の中です。

「ヒドラによるタマミジンコの捕食」の動画を作りました。
前半は途中で失敗していますが、後半はうまく飲み込んでいます。


下の顕微鏡写真は、タマミジンコの頭部です。
※大きな黒い部分はミジンコの複眼

麻痺したタマミジンコには、たくさんの刺胞が刺さっていました。

タマミジンコに刺さった刺胞

下は、ヒドラの触手を拡大したものです。
触手には、丸い袋状の刺胞がたくさん付いていました。

ヒドラの触手にある刺胞

ヒドラは通常、出芽しゅつがと呼ばれる無性生殖むせいせいしょくで数を増やします。
先ほどの、捕食中の写真をよく見ると、出芽中のヒドラが付いているのが見えます。

食べられたタマミジンコと出芽中のヒドラ

植物が枝分かれするかのように、体の横から子供のヒドラが生まれます。
観察していると、2日ほどで親個体から分離しました。

ヒドラは体を切っても、その破片から再生し、増えることが出来ます。
この強力な再生の力と、複数の触手を持つ姿が、ギリシャ神話のヒュドラに似ている為、ヒドラという名前を付けたのではないかと言われています。

うちの子は、最初1匹だったのに、5日後には4匹に増えていました。
このままだと、とんでもない数になりそうです・・・。

おしまい

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