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冬は寒い

3日前から、急に涼しい。秋だ。
もう朝晩は少し肌寒いくらいで、しばらく忘れ去られていた「寒い」の感覚を取り戻す。
遠くに冬の気配を感じた。

冬は苦手だった。
だって寒いじゃない。寒いと布団から出られないでしょ。あいにく、社会で生きているから週に5日は布団から出ないといけない。
布団とベストフレンドになれる季節、離れることのなんと辛いことか。悲しい別れを毎朝乗り越える、哀れな生き物。社会人。

私は自分がこうだと他人もそうだと思いこみがちな性質があるので、てっきりみんな冬が苦手なのだと思っていた。
ところが世界はそんな画一的なものではなく、私には冬が好きな友達がいる。「どの季節が好きか」なんてどうでも良いことを話せる友達。
その友達は、冬は空気が清潔な感じがして好きなのだという。
だから、彼女は冬が来ることを喜んでいるのだろうな。
そう思うと、少し近くに迫り来る憂鬱な冬を、ちょっとくらいなら歓迎してやってもいいか、と思えた。

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