もう公務員にならなくてもいいと父は言った
父はずっと私に公務員になれと言っていた。
そして父も公務員だった。
私が反対されつつも医療職になり、数年がたったころ父がつぶやいた。
昔とは違い今はいろんなことがうるさくなった、市民からのクレームもくる、みたいな話しをし始めた。
あらまあ、と思った。
あれだけ公務員押しだったのにね。
親の言うことをそのまま聞くような娘じゃなくてよかった。
反発心でここまできたがあとは何をエネルギーに変えればいいのか、とも思った。
不思議な瞬間であった。
何が正しいか何が儲かるかなんて判断がつかないし、自分のパッションに逆らわず進むのが一番。
それを再確認した。
この間息子が「僕はハッケヨイ(お相撲さんのこと)になりたい」と言い出し、一瞬ギョッとしたがひとまず肯定してあげられた。
否定なんていくらでもできる。
この子のパッションの行方を見守ってあげよう。
私の本音はいったん飲み込んで。
書き始めるといろいろ思い出すものだなと思う。