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椿のこと No.2

2月初旬、奈良の三名椿のうち、
行ったとのない、見たことのない椿、
もののふ椿と言われる散り椿のある伝香寺を訪ねました。
このお寺は、宝亀年間、鑑真和上の弟子、思託律師が開いたといわれ、天正13(1585)年、筒井順慶の菩提を弔うため順慶の母が再興。
以後、筒井家の菩提寺となったようです。
奇棟造の本堂(重要文化財)は再興時建立のもの。鎌倉期の作で裸形像に実際の着物を着用させた裸形着装像である地蔵菩薩像(重要文化財)があり、一年に一度住職さんの着せ替えの儀があり、脱がせた衣は小さく切り、お守りに入れるそうです。
お寺と幼稚園の園庭が一緒になっていて、
園庭の中にお堂がありますが、その脇にある立派な木の椿で、それはそれは沢山の蕾をつけ、朝の光をあびていました。
この椿は、色も綺麗で盛んな頃に桜の花びらが散るようにぱらぱらと散る…
この散り際の潔さが、若くして没した順慶法印を弔う意味を込めていつしか「武士椿」と言われるようになったと伝えられているようです。
花期は3月の中旬以降で、八重の蓮華咲とのこと。
ご本尊のご開帳もこの頃のようです。

日本でめでたい吉祥植物は、
現在は、松・竹・梅となっていますが、
古くは松竹椿が主体だったようです。

中国では自生する椿が発見されずに梅となり、
日本では中国から伝わった梅が普遍化されずに
自国の椿を歳寒三友にあてたとものの本に書かれています。
確かに椿は霊木とされていて、魔除け、慶福、縁結び、和合円満、旅路平安、不老長寿という信仰もあるようですから、納得しますね。

もののふ椿と似た椿を
奈良に想いをはせ、いけてみました。



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