カルボナーラ
行き詰まる。人生生きていれば、何かに迷い解決策が思い浮かばず、行き詰まりのどん詰まりにハマることはある。はず。
私は今行き詰まっている。
仕事が嫌だと思ったことはない。むしろ天職なんじゃないかしらと思う事さえある。特別に仕事ができる人間ではないし、高い理想を求めているわけでもないが、それでも看護師という今の仕事に誇りも持っている。つまり私はこの仕事が好きだ。しかし、なにせ人間関係が苦手なんです。
仕事場には様々な人間がいる。究極の理想を掲げる人、ただ何となく働いている人、お金のために割り切っている人。それぞれがそれぞれの思いで働くのだから、それは衝突するのは致し方ないし、どんな職種でも起こりえる問題だと思う。
衝突は良いんですけどね、陰口、嫌味、派閥争い、その他もろもろ……。原因は分からないけれど、悪口言ってても解決しないじゃない。どっちの派閥についても結局おんなじじゃない。
そしてそんな輩はなぜか同調を求めてくる。なぜか私を引き込もうと、仲間にしようと誘ってくる。いやいや、私は私。一人で結構。放っておいていただきたい!!
ネガティブな同僚、先輩たちに啖呵を切って𠮟りつけたあと『アタシについて来な!!』なんて言って目を覚まさせてやりたいとも思うのですが。私について来られてもその先を見せることなんてできず、さらに大きな暗礁に乗り上げるのは自明の理。
なので私はいつまでも、あちらを立てればこちらが立たずで、職場の人間関係をふらふらと漂っている。そんな態度でいるからなのか、優柔不断、八方美人などといった私の悪い噂が流布しているようだ。
私が何に行き詰まっているか。もうこんなめんどくさい職場なら、病棟移動をお願いするか、いっそのこと辞めてしまおうか。そんなことを部屋で思案を繰り返しているのです。
いくら考えても答えは出ず。なにがベストの選択なのか、より分からなくなりドツボにハマってしまう。こんな時は一回全部忘れる。何かに集中する必要がある。いっぱい考えて脳細胞を酷使したせいか、グルコースを欲しがっている。つまり私、腹減ってるんだ。
と言っても、特別に買い出しをしたわけではなく。冷蔵庫を物色する、卵、シュレッドチーズ、飲みかけの牛乳、ベーコン数切れ、にんにく、玉ねぎ。乾物入れの奥底に眠っていた夏の忘れ物。ひやむぎ。
【カルボナーラ】
炭焼職人風パスタ。どう見ても白か黄色のソースなのに炭焼職人。黒コショウをかけたから炭焼職人風なんだとか。そのネーミングセンスはよく分からないけれど、コショウを振りかけてからそう説明されたら納得してしまうかもしれない。
パスタは在庫を切らせていて、夏場に食べきれなかったひやむぎで代用。
まず初めに、鍋にたっぷりの湯を沸かし、普通にひやむぎをゆではじめる。
フライパンに多めのオリーブオイル、薄切りにしたニンニクを投入し弱火で香りを油に移す。
十分油が温まったら一度ニンニクは取り出し、ベーコンを投入。ベーコンはできるだけカリカリに焼く。しっかりとベーコンの水分が飛んだら、玉ねぎを投入し、取り出したニンニクもフライパンに戻す。
ある程度玉ねぎに火が通ったらここで牛乳を具材が浸るか浸らないか程度入れる(100~200ml程度?フライパンのサイズにもよるかもしれない。まぁ適当量。)
カルボナーラにミルクや生クリームを入れるなんて邪道だとおっしゃる方もいるのかもしれないが、別に人それぞれの好みだと私は思う。おいしければ良いじゃん。パスタではなくひやむぎを代用しているから、水分を入れないと、ひやむぎが料理の水分全部吸っちゃうんです。パスタとの水分吸収率の差なのだろうか。
フライパンのソースが軽く煮立ったら、塩コショウで味を調える。が、ひやむぎの塩分がパスタより高いことと、この後チーズが入ったりするから、そんなに塩は強めにしない。
ひやむぎが茹で上がったら、水にさらしたりはせずに、そのままフライパンに投入。その後にシュレッドチーズを適量、もしくはお好みで入れて、全体を軽くからませる。チーズが溶けてソースに軽めのとろみがついたら火を止める。
ここからが勝負!卵(全卵)を溶いて、アツアツの麺に回しかける。全部入れたら手早く全体をかき混ぜる。卵の熱凝固性って本当に面白くて、かき混ぜているうちにソース全体のとろみが強くなってくるのが分かる。ここが一番面白い!
出来上がったら麺をお皿に移す。最後に黒コショウをミルで粗めに振りかける。私の場合は、できるだけ高いところから振りかける、意味は無い、気分の問題。
完成!ひやむぎカルボナーラ!カルボナーラソースはまったりとしていてクリーミー。そして黒コショウはやっぱり必要。クリーミーなのは美味しいけど単調になってしまう。そこを黒コショウの香りと刺激でしっかり締めてくれる。
そしてなによりひやむぎ。パスタで作るのも美味しいけれど、ひやむぎでつくるとモチモチで食感が面白い。私は実はパスタでつくるカルボナーラよりもひやむぎのカルボナーラの方が好きかもしれない。
ひやむぎとカルボナーラ。本来使用されるべき食材とは違う食材を代用し、まったく異質の調理方法で仕上げる。ひやむぎにとっても、カルボナーラにとってもお互い驚きの組み合わせなのかもしれない。でも私は本来のカルボナーラよりも、代用されたカルボナーラの方が好きかも。
つまり考え方とか、やり方とかに固執していてはだめだってことだな。柔軟な対応や、環境に対応する臨機応変な行動が大切なのかもしれない。
人の悪口や、派閥、権力争い。きっとどこに行ってもそんな陳腐なやりとりってあるんだろう。だったら私は私らしく、優柔不断で結構!八方美人と言われて上等!お好きにやりあっておくんなさい!というマインドで、今の職場の環境を乗り切ってみようか。
仕事辞めたら食べていかれないしね!ごちそうさまでした!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?