見出し画像

『13歳からのアート思考』アートの見方を考えてみる

アートにはまったく詳しくありません。

かなりざっくりかつ不確かな西洋美術史の知識があるのと、超有名な画家や彫刻家の名前と代表作が数点言えるくらい。

恥ずかしながら、本当にそんなレベルです。
東洋美術については全く分からないし、美術館に行ったことも数える程度しかありません。

そんな私がなぜアートに興味を持ったのかといえば、よく聴いているvoicyのパーソナリティ、社会派ブロガーのちきりんさんがアート好きだから。

トークテーマとして取り上げられることも多く、展覧会や美術館にも足を運んでみたいと思うようになりました。
それに、数年前からビジネス界隈でもアートが注目されはじめ、書店でも「アート」関連の本をよく目にするようになりました。

そんな「興味はあるけどよくわからん」というアートへの理解を助けてくれたのが『13歳からのアート思考』という本です。

美術の先生である著者、末永幸歩さんが授業形式で
アートって何だ?
リアルさって何だ?
アートは美しくあるべきか?
などを様々な視点から考えさせてくれます。

「13歳から」とありますが、むしろ私は大人が読んだ方がいい内容だと思いました。

特に納得させられたのがアートを植物に見立てて考える部分。

まず、地表には花が咲いています。
これはアートの作品に当たる部分です。
その花の根元には種があります。
この種の中には興味や好奇心・疑問が詰まっていて、その種の下から探求の根が地中深くまで生えています。

「アートという植物」は「表現の花」「興味のタネ」「探究の根」の3つ からできています。しかし、たんぽぽのときと同様、空間的にも時間的にもこの植物の大部分を占めるのは、目に見える「表現の花」ではなく、地表に顔を出さない「探求の根」の部分です。
 アートにとって本質的なのは、作品が生み出されるまでの過程の方なのです。

末永幸歩「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

繰り返しますが、私はアートに関して全く詳しくありません。

ですがこの例え話は、アートとは何か?という疑問の確信に触れる部分ではないかと感じました。

 どんなに上手に絵が描けたとしても、どんなに手先が器用で精巧な作品がつくれても、どんなに斬新なデザインを生み出すことができても、それもあくまで「花」の話です。「根」がなければ、「花」はすぐに萎れてしまいます。作品だけでは、本当の意味でのアートとは呼べないのです。

少し話はずれますが、私はこうして文章を書いて世に送り出しています。

文章を「表現の花」とすると、私がこうして書いている文章に「興味の種」はあるのか「探求の根」はしっかり張っているのか?
そのように問いかけられているようで、ドキッとしましたね。

アートになんか全然興味がないという人でも、アート 思考はいわば哲学です。

“「自分だけの答え」がみつかる” とあるように、アート思考で物事を考えることによって、常識や思い込みにとらわれない、新たな見かたができるようになるかもしれません。

すぐには役に立たなくても、ひょんなきっかけで自分を助けてくれる予感がしています。

『13歳からのアート思考』オススメです。

 最後まで読んでいただいてありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!