イワテノタカラ
野球にまつわる、短めのコラムです。
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もう、ずいぶん長いこと、甲子園での岩手代表の試合を見るのが、あまり好きではなかった。
たいてい、初戦で敗れてしまう。
しかも大差をつけられ、まったく相手にならない。
組み合わせ抽選の会場で、対戦が決まった相手に、ガッツポーズされたこともある。
これが岩手の野球の限界なのだろうと、あきらめていた。
そんなある日「岩手から日本一をめざす」と話す、ある投手の記事を新聞で見つけた。
おもしろい球児が出てきたと思った。
なんだかワクワクしてきた。
そして、その期待どおり、彼のチームは夏の大会でベスト4に入った。
春の大会では準優勝にまで登りつめた。
それが菊池雄星のいた花巻東だった。
佐々木監督ひきいる花巻東が、岩手の野球の常識を変えてくれた。
雄星は岩手にとって「百年に一人の逸材」に思えた。
けれどしばらくして、また一人、現れた。
大谷翔平だ。
彼は日本一どころか、世界一になった。
MVPに選ばれ、野球の神様ベーブ・ルースも越えた。
だが、それだけでは終わらなかった。
今度は怪物が現れた。
佐々木朗希も、異次元と呼ばれるピッチングで完全試合を達成した。
これは一体、どうしたことだろう。
いくら地名が「岩手」とはいえ、世界レベルの投手が三人も現れた。
聞くところによると、岩手は他県に比べて睡眠時間が長く、それが影響しているという説もある。
たしかに、大谷はよく眠るという。
朗希も、自分のような選手をめざす子供たちへのアドバイスのひとつに「いっぱい寝ること」を挙げている。
ともあれ、彼らのような「岩手の宝」の活躍もあり、長いあいだ、丸まっていた背中がスッと伸びたような快さを味わっている。
岩手の宝は、同時に「岩手の誇り」でもあるのだった。
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