さみしいいきもの-191125
朝家を出ようとして電気を消そうとしてでも左手を止めて そのまま玄関の扉を閉じて鍵を閉めて
駅までの道を 何も考えないようにして歩き出した
どうしてそんなことをしたのか今となっては よく分からないけど
多分私は誰かにおかえりと言って欲しかったのかなと電車の中で思ったのだけど
実際は誰も家にはいないし居られても困るのだけど
何となく 私はさみしいいきものだなぁと思った
仕事場のデスクに置いたペンギンのキャラクターのポーチには「出勤してエライ」と書いてあって
それを見た誰かが視線を揺らして「流行ってるんですか」って言われて
どういうことかなと思ったらどうやら別の人の机にも置いてあったようで
思わず私は「そうなんです」と応えて愛想笑いをして誤魔化すなどした
その誰かは私がそのポーチの言葉がないと生きていけないのだと知ったらどんな顔をするのだろう
別の人も私も本気でそう思ってると知ったらきっと困ったような顔で笑うのだろう
きっとそんな人なんだろう と 思って
やっぱり私は さみしいいきものだなぁと思った
誰にも褒めてもらえない自分を辛いと思うことが辛いなんて誰が分かってくれるだろうか
みんな同じだよなんてくだらない慰めを送るなら嘘でも偉いって言ってくれればいいのに
どこまでもどこまでも生き場所も逝き場所もないまま旅に出るしかないんだ
結局私は さみしいいきものだなぁと 思った
仕事がしんどかった時に書いたやつそのに。