ルームメイトがやってきた時のはなし
ある時、一人暮らしの家に生き物を迎え入れることにした。
うちにやってきたその子は思ったより体温が高くはっきりした心音がして、まだ線は細かったが初日にして与えたケージを冒険し尽くす肝の据わった生き物だった。
決断するまでにものすごく悩んだ。その生物についてたくさん勉強もした。
どんなに悩み勉強しても、迎え入れた後自分はその生き物に苦痛を与えないだろうか、と不安で仕方なかった。
生き物を迎え入れるなんて、エゴでしかないのだ。
ぼくは虐待のサバイバーである。
与えられてきた選択