バリ旅日記** 潮風が誘うから、いつまでも海のそばで
松浦弥太郎さんのエッセイに何度か出てくる、旅先の朝ランニング。
いつか私も、ずっと思っていました。
森の中のウブドからバリの昔ながらの海辺町に移動した私たちは、移動の翌朝、ビーチまでランニングをしてみることに。
走る速度だから、見えることがある
旅行だと、タクシーやバスでの移動が多くなりがちですが、私はもっぱら徒歩or自転車派。
けれど今回の朝ランニングで、走る速度で町を見るおもしろさも知りました。
自分の呼吸がハアハアと上がり、
いつも走っている地元の景色ではない光景に、目も忙しくなる。
けれど、走りながら呼吸を深めていくうちに、町との距離も近くなっていくように感じます。
朝からビーチでヨガをする人々、散歩する犬、夫婦で海辺を歩く姿。
私の知らない日常がここにも流れているのだと、知るのでした。
透きとおる海。ここにいるのは私たちだけ
私は海が好きです。
つかみどころがなく、ただただ広くて、受け入れてくれるときもあれば冷たく突き返されるときもある。
自然だし、人間そのもののようでもある。
バリの真っ青な空の下、海もまた、青い。
ビーチ寝転ぶ人はみな、誰かに見せるために海に来ているのではなく、自分の時間を楽しむために来ているように見えます。ごろりと寝転び、本を読んだり、物思いにふけったり。
ここでは、みんなが自分の時間を生きている。
そう感じるのは、私がいつも他人の時間を生きていると、どこか自分を責めているからかもしれません。
海、小説、風の音、それから私。
この瞬間にあるものだけを見つめることができる、その時間こそが「贅沢」に思えました。
いつまでもいられる、海風の入るカフェ
あまりにも海が気持ちよかったので、お昼過ぎまで砂の上に寝転んでいた私たち。
お腹が限界の「ぐう」を発してきたので、ビーチ沿いのお店に入りました。
この日に入ったのは、サヌールのビーチで人気のお店、「Soul on the Beach」。
このお店の魅力は、食事がおいしいのはもちろん、海のすぐそばで食べられること。他のお店も海からは近いのですが、ここまで近いのはこのお店が一番かもしれません。
とにかくインドネシア料理にはまっている私たちは、ここでもナシチャンプルーを注文。「Little spicy よ」と言われましたが、きっと大丈夫だろうということで。
もう1つは、チキンのスープのようなもの。こちらはココナッツカレーの雰囲気がありつつも、マイルドな優しいスープでした。
日焼けって「寒い」んだ。
さて、調子に乗ってビーチライフを楽しみすぎた私たちを待っていたのは、信じられないほどの日焼け。
みなさん、小さい時に夏休みなどで海に行って、めちゃくちゃに日焼けした経験はありますか?
とにかく真っ赤になって、触るとヒリヒリ痛い。アロエのジェルを体中に塗りたくっていたのを覚えています。
私たちの日焼けは、その幼き頃の記憶を覆すようなレベルでした。水シャワーですらしみて痛いほどアッツアツで、触るとか服が擦れるなんて無理ゲーすぎる。
「これ、何か塗るべきでは...?」
「うむ。でもアロエって高そう。他にないんかな」
「そいや、蚊に刺され用のタイガーバーム買ったよね?あれって何でも効くんじゃなかったっけか」
タイガーバーム。
これね。
蚊に刺されに塗るやつください、ってスーパーで買ったもので、インドネシアだけじゃなくベトナムとかでもよく売っています。
スースーする使用感なので、まあ日焼けにも良さそうですよね。冷やした方がいいし。
「はーい、背中出してくださーい。塗りまーす」
とお互い全身にタイガーバームを塗り込み...
*5分後*
「....っっっ.......さっっっっっっっむ」
「布団着ても寒い」
「いや、もう布団とかじゃなくて皮膚が寒いから無理じゃんこれ」
((((((ガチガチがち))))))
*10分後*
やっとこさ体温が平常に感じられるくらいまで戻ってきました。
人生って、節目節目でいろんなことを学びますよね。23歳だなんてちょっと調子に乗っているような時に、大きな壁にぶつかってしまうんです。
「日焼けなんてしないよ、だって23歳だもん。」
そう。その油断がダメなんです。
どんな人にも平等に太陽は降り注ぐ。
そして、太陽は平等に肌を焼いていく。
・・・
旅から、多くを学びました。