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毛の話を語る

なかなか口に出すことはないかもしれないが、たぶんみなさん気になっていると思う。無いと困るし有ると邪魔だし、生えてほしいところに限ってあまり生えず、生えてほしくないところにはしっかりと根付く。


自分の毛の話はとてもセンシティブなため語り合うことはもちろんのこと、できるだけ話題に出したくないものであるが、なぜか第三者の毛の話は盛り上がる。そういう話で盛り上がること自体どうなのかと思うが、毛の話においてはつい自分のことを棚に上げて話題にしてしまう。

下世話な話なのだろう。

生えてほしくない毛がある。人間の祖先は猿と言われており体中の毛は温度調整や外敵刺激などから守るためのものだったと思うが、今となると顔より下の毛の存在意義はなんだろうと思う。物心ついた頃から毛深いことを気にしていた。そのため日々毛の処理をしていたが日々というのは結構大変だったりする。カミソリを毎日使うと皮膚が弱ってしまい、毛抜きで一本一本抜いていた日々を思うと遠い目になったり、またローラーみたいのがくるくるして毛を抜く機械なども購入した。毛抜きで抜くよりは断然早いが慣れないと痛いしVIOには絶対に使えない。そんな処理を長年続けていたからか、また年齢的なものがあるのか、若かりしころの毛深さはだんだんと無くなっていったがそれでも毛のことは気になる。

電車の中には「全身脱毛100円」という値段設定がおかしいと思う広告が多く掲げられている。サロンでの脱毛には興味があるがその値段を信じていったらものすごい勧誘されるのではないかと勝手に想像してはやっぱりやめたと二の足を踏んでいる。実際の体験談などを読むと100円というのは体験価格であり数部位に限られている。その後の勧誘はなかったと書かれているものが多いが実際はどうなのか。まあその脱毛する施術者の人件費、設備費もろもろを考えただけで100円だけで完了するとは誰もが思わないだろう。

あと二の足を踏んでいる理由の一番の理由は恥ずかしいこと。施術者にとっては仕事として行っていることだから見せることに対して気にすることはないだろうが、毛がある私=私の弱点と思っておりその弱点をさらけ出すのは少し抵抗がある。また「その年齢になってまでも毛のことを気にするの?」と思われているのではないかと妄想する。

そこで、サロンに行かず自分でなんとかできないかと思い「光脱毛機器」を探した。毛に含まれる黒いメラニン色素に反応し毛根にダメージを与える脱毛方法。説得力があるようなないような説明だが、一般的なサロンで用いられている方法であるため効果があるのだろう。しかし家庭用で本当に効果があるのかは半信半疑なところがあるため高いものを買うことに抵抗があるため、Amazonで安価でそれでいて評価が高いものを探し購入した。

脇の下、スネ、腕、VIOで試すことにした。

お風呂に入ったあとに、スネと腕は強度9(最高強度)、脇の下は強度7でゆっくり動かしながら照射する。時々焦げたようなニオイがすることがあり「あーなんか効いているような気がする」と心で喜ぶことにしている。

VIOはあまり強度を強めると痛みが想像でき恐ろしいため強度5くらいで同様に行っているが、直接見ることができない位置であり、体の構造上少し複雑なため照射が難しい。イスにすわり下着を脱ぎ足を広げ機械をあてて照射する。この姿を誰かに見られたらと思うだけで恐ろしい。

これらを週に1〜2回程度を約半年間継続して行っているが、結果的にはあまり生えてこなくなった。写真でお見せできないのが残念なところであるが家庭用機器でも効果があるのだと思う。ただしそれは継続して行っているからであり、ここでやめてしまったらまた生えてくるかもしれないと思うと当分は継続しないといけないのだろう。

「ムダ毛」だけではなく、生えてほしい毛に関してもかなり気になっている。分け目の幅が広く感じ、またシャンプーをすると指に抜け毛が絡まっているのを見てはため息をつく。日々朝と夜に育毛ローションをつけてマッサージをしているがその効果はよくわからない。そして白髪の量がだんだんと増えている。これは年齢なので仕方ないがまだそれが受け入れられないために頻繁にカラーをする。そういうことが悪循環となっているのだろう。

まただいぶ前のことだがまつ毛エクステに行った際に「まつ毛が結構抜けていて穴が空いてます。ビューラーで引っ張ったりすることが原因かもしれません」と言われた。穴が空いているということは、そこには毛根が残ってなく二度とそこから生えてこないかもと思ったら恐ろしくなり、速攻でまつ毛美容液を購入した。毎日毎日使用しているが効果のほどはわからない。

毛には生えてくる理由がある。

リンパや太い血管などが通っている場所や、外からの直接的な刺激や紫外線から守るために生えている。また人類の進化の過程で毛で体温を守ったりする時代があったが、その守り神を抜いたり剃ったりと罰当たりなことをしているために、そのうち毛がなくとも生きていけると判断し、人類は頭から足までみんなつるつるに進化していくかもしれない。

そうなったら毛で悩むことは無くなるが、また新たな悩みが増えるのだろう。


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本投稿は、以前「呑みながら書きました」で書いた「毛の話」をリライトし、また新たな部分を加えたものです。