(6)反転動画を作るための10のコツ~まずは1つこしらえてみませんか~
こんにちは。日本語講師のHinakoです。
さて、みなさんは反転動画を作っていらっしゃいますか。
ここでは、大学での、「日本語の初級レベル」の授業のためにとった反転授業の話をしたいと思います。教科書は文型シラバスを使っています。
現在絶賛オンライン授業中の先生方は、授業準備や採点だけでも大変ですから、「反転動画をとっている時間なんてない!!」ってなりますよね。まあ、反転ビデオを作らず、同期でも対面と同じように授業してもなんとかなるといえば何とかなるんです。無理しないのも大事。でもせっかくのオンラインコース、オンラインと反転動画はものすごく相性がいいらしいので、オンラインのいい特徴をうまく生かせればいいと思い挑戦してみました。
今年の5月から8月まで、100本ぐらい(1分ぐらいから7分ぐらいのものまで)動画を作ってみて、反転動画を作った私なりのコツを10個ここで紹介したいと思います。ちなみに使ったのはLOOMとScreencastifyです。
1.動画の長さは5分以内
武蔵野大学の藤本かおる先生の本「教室へのICT活用入門」の中で「学習用動画なのでは、7分を過ぎると一気に動画の視聴率が落ちるという調査がある」とおっしゃっています。また、「1本の動画は5-10分程度がいいと思います」とのことです。学生さんへのアンケートでも短い動画がすごくよかったというコメントが多くありました。
短ければ短いほど、いいらしいですが、どうしても長くなりそうなら、このビデオは7分ありますとか、動画の説明のところに書いておくのもいいと思います。だから覚悟してみなさいと!!いうのもありです。
2.すぐに本題に入る。
短い動画をとるには、変な導入は必要ないと思います。必要な情報だけを適格に伝わるように、私は「みなさん、こんにちは。今日は〇〇をします。こんな場面で使います。」とすぐ文法紹介しました。
3.自分で撮った動画は全部みない。
私は再生の確認しかしませんでした。自分のビデオなんかずっとみてるなんて拷問です。自分の下手な英語に落胆し、次撮ろうなんて気になれませんから。
4.絶対に編集しない。
気になるところがあっても全然そのままです。実は、最初に作った動画で編集とかしていて動画の中にクイズなんかいれちゃったりしたので、5分のビデオを作るのに1時間もかかってしまいました。凝りだしたらきりがない。結局のところ、動画がいいか悪いかは学生さんが判断するもので、「文句言われたら編集すればいい」という姿勢でのぞむのがちょうどいいです。
5.間違えても取り直ししない。
4とちょっとかぶりますが、動画であっても「ライブ感」みたいなのが大事なのかなと。間違えても「あっ、間違えた」と言って次にすすむ。対面の授業の時も完璧じゃないですよね。経験からですが、取り直ししたからといって次にものすごいいいものができるわけでもなかったです。
6.気分がのらない時は撮らない。
対面の授業でも調子のいい日と悪い日があると思います。ビデオ撮りも同じだと思います。対面だと今日は授業はヤメヤメとかはできないですが、ビデオ撮りなら、潔く気分がのらないときはあきらめる!!調子のいい日に一気にとるのがいいと思います。そしてここ大事です。のらないときは、必ず同僚の先生に相談したりして元気をもらう。もしくは、学生さんに動画の感想を聞いて、無理やり感謝の言葉をもらう。と次も頑張れます。
7.早口でも気にしない。
動画の中では、なんだかゆっくり話さないとわかりにくい、つたわりにくいかなと思いますよね。でも早くてわからなければ何度もみてもらえばいいんです。逆にゆっくりすぎるのは、2倍速でみてくださいというスタンスでいいと思います。見ている人が自分にあったスピードでみればいいんじゃないでしょうか。
8.最初と最後の言葉を決めておく。
これは向後先生がおっしゃっていましたが、決まり文句があるとスムーズに始められ、ちゃんとうまく締められるからです。確かに意識したわけではなかったですが、私も「みなさん、こんにちは。今日は〇〇をします。」から始まり「See you next video, バイバイ」で終わってました。変にYOUTUBERの影響をうけていたのかもしれないです。
9.練習問題を入れる。
知識の伝達だけなら、上手な先生方がYOUTUBEでバンバン出しているので、それを見ればいいわけですよね。自分のオリジナリティーを出す意味でも、私は練習問題を入れてました。名付けて、「先生とビデオでロールプレイ」簡単にいうと
先生: 元気ですか。(質問をする)
学生: 。。。(先生は耳を添えて、聞いてますよと間をあける)
先生: グッジョブ (ほめる)
なんて恥ずかしいことをしているんだろうと自分では思いますが、学生さんに聞いたら、一人で画面の前で先生と練習しています!! とコメントがありました。ありがたい話です。作ってる時は一人ですが、画面の向こうで私のビデオを見てる学生さんも一人。練習問題は、学生さんとちょっとつながってる感じがします。
10.顔だしする。
動画での「顔だし」学生さんにはうけがよかったです。私の動画をみて初めてZOOMに来た学生は「ビデオの先生にZOOMクラスで会えてうれしいです」と言われました。予想外のコメントに「そうですか」としか言えませんでした。
ちなみに、早稲田大学の森田先生の先日の発表では、顔出し、顔出さないとうまく組み合わせるのがいいということです。(早くいってよー。ずっと顔出してたよ。話しながらスライド見てる⇀カメラ目線ずっとできない⇀変なとこみてる。。)これから作る先生方は 最初顔出し⇀スライドで声のみ⇀最後顔出し とかでもいいかもしれませんね。顔があってもなくても効果は同じという研究結果もあるようです。
というわけで以上が私のコツです。読んでいただきありがとうございます。
自慢じゃないですが、出来上がった動画は「自分の授業作品」としてポートフォリオなんかに残せられるレベルじゃないんです。でも、学生さんからの反転動画のコメントは100%ポジティブでした。感謝の嵐。私のビデオは期間限定公開で、時期が来たら闇に葬りますと伝えると、復習するから動画のリンクは消さないでくれとまでも。学生さんが自分のペースで勉強できるし、繰り返し見れるし、学習者の立場ではいいことしかないんですね。
でも、先生側にもいいんですよ。最大のおススメポイントは、反転授業を入れると、授業がものすごくスムーズに進むんです。びっくりするぐらい、「今学期の学生さんは優秀だな」なんて錯覚するぐらいですよ。
反転動画、今からでも遅くないです。丁寧にビデオ作っている先生はごめんなさい。最低限のビデオ作成ならということで10個コツを紹介しました。難しい文法の動画だけでも、作ってみませんか。まずは1本こしらえましょう。そして2本目と慣れていくもんです。反転動画とオンラインはすごく相性がいいですから、おススメです。
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