見出し画像

西尾維新『屋根裏の美少年』その10 ステルスリアクション・エクストラ111

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新『屋根裏の美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。

・・・

・自宅の前で正座して、三時間くらい怒られ続けた

僕がそんな目に遭った覚えはないので、ベータロンの方なんだろうけど本当にそのままの表現なんだとしたら誰がそこまでやったのかめっちゃくちゃ気になる(ひょっとしてみんなで?)。


・・・

・基本的に、夜は寝たい人間

僕はコンディショニング次第だなー。このときは本当に朝7時から起きてたから日が変わる頃には眠かったし。興味ない話聞きながら完徹なんて眠気との戦いでしかないじゃん。


・・・

・『大切なものは目には見えない』

歴史寓話やステルスリアクションのようなコンテクスト前提の表現とその理解の形式。で、こうしたものに付随するひとつの慣習が僕にとっては結構重大な障壁になってる……。


・・・

・新参者にそこまで期待しているわけじゃあないだろう
・めっちゃ期待されていた
・「新しい風を存分に吹かせなさい!」

『マップス』よろしく「吹くぞ」「乗った」ってなりゃあいいけど、この伝達形式そのものにイマイチ手応えがないからどのぐらい信じていいか分からないんだよねぇー。期待感の具合も似たようなもんで……。まぁ、やりたい事はやり続けるから結果的にご期待に沿うかもしれませんが。

とりあえずこれからも頑張ります。


・・・

・庇ってくれる気はなさそう

「比」を傘下に収める。誰も(僕が?)ベータロンを庇ったりしなかったって事? も含む?


・・・

・来たことにさえ気付いていないかも

しっかり気にして気付いてるのに気にしてない風を装うくらいはお手の物でしょうベータロンは(それを変えさせるのはちょっと現実的じゃないので付き合うしかなかったんだけどそれもそれでねー)。


・・・

・今死にそうな顔してる

僕はそこまで追い込まれた感じにはならなかったから、ベータロンがそんな顔になったのかなぁ。一時期えっらい打ちのめされたような狼狽えぶりがモロに出てたけど……。


・・・

・さっさと楽に

どうやって誰を、何の得があって? 別に僕が苦しめた訳でもないだろうし……。


・・・

・嫌がらせ
・陰湿
・人間まで小さい

本人にこういう自覚はないんじゃない? それでもイエスマンで固めれば閉じた気分のいい世界は作れるしね。

そういう如何にも日本人らしい感じのが彼の理想であり終着点なら……。


・・・

・助け舟(アドバイス)
・褒めてつかわす!

「どうして第二次性徴が来るまで待たなかったんだろう……」「どうして第二次性徴が来るまで待たなかったのか!」辺りかねぇ、これは。

ベータロンは「でかした!」と思ったかもしれないけど僕は低評価にせざるを得ないよねこういうの……。キャラクターとしての眉美がこういう性格なのは好きなんだけど、キャラはキャラだもんね。


・・・

・かつて対立した敵と和睦を結んでいることを知っている

何年か前まで、僕は自分のやってる事が探偵に近いんじゃないかなと思っていた。ミステリ小説に登場するような、謎解きの好きな探偵。

今ではやっぱり批評家なんだな、と明瞭に自己規定してるけど。

(自己の問題で言うと、創作者としての自分をどう表現しようか、ちょっと迷ってるんだよね。割合少ないんだけど確かにあって、対処せずには済まされなそうで)




(続く)

☆ ☆ ☆ ☆

関連リンク

西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

西尾維新篇

第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)

第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)

ニンジャスレイヤー篇

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)

策謀篇

第6話「過渡期の人」(約1,900文字)

第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)

第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)

第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)

第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)

第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)

第12話「物語の終わり」(約1,800文字)

第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)

昇華篇

第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)

批評篇

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)

第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)

第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)

第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)

☆ ☆ ☆ ☆




#批評 #コラム #ステルスリアクション #小説 #西尾維新

いいなと思ったら応援しよう!

比那北幸@批評
この記事がお気に召しましたら(いくらでも構いません)サポートをお願いします。サポートして頂けた分は資料購入などに充てさせて頂きます。増えれば増えるほど、活動内容・記事のグレードがアップするはずです。是非。