西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』その3 ステルスリアクション・エクストラ059
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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・コストパフォーマンスを無視
出来ないよ普通はー。だから先入観で無茶苦茶な設定にされてもついていけないよー。
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・利害や損得を越えた行為
呪いは呪いでそうなんだけど、決して慈善事業でやってる訳ではないしなぁ。
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・政治的
地位や権力を強めて基盤を固めようという意味で言えばそうだろうし、ベータロンはそういう前提で動いていたと思う。
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・陰から采配を振るう
ふと思ったんだけど、しっかり読み切っていたらそれも不可能ではなかったし、僕にとっても有益だったのでうまくいったのかも。
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・美しさのためならほかのすべてをないがしろにする
1つの価値の為に全てを従わせようとする、という意味なら、そういう実例の1つなのだと思う。でも僕はもう少し複雑で複数の価値を高度に成立させる方がもっと難しくてもっともっと価値があると思えるけどなー。
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・紙幣の内側
表には表れていないもの。心理の死角。歴史寓話、ステルスリアクション、暗黙の要求のシステム。
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・わたしくらいわたしの目のことを信用していない人間もいない
実証実験が出来るような能力ならまだしも、作者の意図の読解か読み手の恣意的な解釈か怪しまれるようなものだったらそこまで自信は持たないよ。
あと、確実なものにする為にはまず自分で自分の仮説を疑い尽す事が必要だから、というのもある。
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・リーズナブル・ダウト
お得でも怪しかったら手に取ってもお財布開けないなぁ。
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・お誘い合わせず
・誰にも相談せずに
・平服で
僕も一人で、自分の判断で、普段着で行ったけど、相手の行動からその意図するところは見て取ったつもりでいるけどなー。
そうさせる事からして、コイツ引っ掛ける気じゃねえかなぁ、って警戒してたけども。
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・詐欺っぽい
・怪しくない部分が一行もない
これ、向こう側で追及が厳しくなった時か何かの判断じゃないかなー。訊き出した対応の印象が全体的に誠実さに欠けるとか、明白で曇りのない説明が見当たらないとか。
こっちも雰囲気で誤魔化そうってムードがアリアリだったからバッサリいったんだけどね。
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・風前の灯火みたいな組織
経営や業態は色々だからそう決めつけるのもどうかと思うけど、「神『風』」と「灯『火(日)』」で歴史寓話の方と重ねてるのかなぁ。
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・正直と素直を脳が受け付けない
君、もっと率直に罵倒した方がまだましみたいな言い回しよく思いつくね。人間、怒りを込めて殴られる方が全く無造作に踏まれるよりよっぽどいい時があるだろうに。
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・嘘も下手
そうそう、このぐらいストレートな方がさ、いややっぱり酷いだろこれ。
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・見栄を張ることばかりが得意になってどうする
そこまで徹底的に追い詰められて明確な内容を開示しなければならない場面にならなければ、見栄張っててもどうにかなるんじゃないかなぁ。
どうにもならなくなったら嫌がらせして関係切って済ませてたんだろうし。
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・四年に一度のペースで誘拐被害に遭っている
頻度高過ぎるよ。僕も高い頻度で酷い目に遭ってるし、ベータロンも主観的には随分被害者になってるんじゃないかとは思うけど。
(続く)
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関連リンク
第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
からの「西尾維新篇」。
☆
第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第6話「過渡期の人」(策謀篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
から
第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(策謀篇・8) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「策謀篇」。
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第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(昇華篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(批評篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
から
第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「批評篇」。
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