西尾維新「掟上今日子の水死体」『掟上今日子の退職願』その3 ステルスリアクション・エクストラ054
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新「掟上今日子の水死体」『掟上今日子の退職願』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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・犯人なら近所に死体を捨てたりしない
秘密を身近に置いておく、って普通は結構神経に来るんだけど、ベータロンの神経は普通じゃないでしょうからねぇ……。
好手か悪手かは置いといて、思わぬ対応ではある。
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・実験、実践、実体験
うまく行けばうまく行ったで万々歳、と思ってたのでやるにはやったし、やるからにはきっちり、というつもりだったんだけれどもねぇ、こちらは。
世界って広いわぁ。
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・反動を与えない気遣い
言質取ったから波風立てる必要もなかったしそもそもこの一件にどうしてもって執着するつもりもなかったから、あまりにひっそりと離れ過ぎたのでかえって衝撃だったかもしれないなぁ。
知った事じゃないがな。
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・一存で行動しないでほしい(毎度毎度)
僕は慮る筋合いがないという建前(?)でやってるから大体の行動は一存で決めてるけど、ベータロンはそうはいかなかったろうねぇ。
水面下であちこちに積極的に声かけて回ったのに調整失敗して決裂したみたいだしなぁ。
これでうまくいく→うまくいかない→誰かのせいにする→別の所ならうまくいくはず、のサイクルを回して転々としてるだけっぽいから、根本的な修正はなさそう。
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・よく見える
どっちもネットやってっからなあ! むしろ見えない訳がないし、見せない理由もないわ。
大胆に見せるところと繊細に隠すところとのバランスが難しいと言えば難しいけどもね。
こういうリスク、手段への想定がないっていうのは、さすがに世代的にも職種としてもどうかとは思うんだけども。
それとも、やっぱり怠け癖がつくと転げ落ちるのが早いって事かなぁ。
常識や世間知が身についてないカンジだったし……。
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・微動だにしない死体ぶり(鬼気迫る形相は確かに生きていた)
次の手を打つ作業もしてたし、それ以前に和解案の交渉に持ち込むつもりがあるのか粘ってたんだよー。どうも見込みがなさそうだなぁと踏んでから移行したから、そのタイムラグはあったけどもね。
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・(幸い)
これどこだっけ? 「幸」の字。
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・ぜんぜん見えるじゃん
だって言っとかないと一方的に既成事実化されそうなんだもん。
リスクあったけど言いますよそりゃあ。
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・無残な有様
これは僕よりベータロンかなぁ。直後も凄い荒れ方してたんだけど、向こう側とのやりとりでの事かもしれない。
だとしたら僕のせいじゃないぞ。
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・思ったより酷い姿(別の幸せ?)
代わりに別の手を、って考えたのかもしれないけど、彼は特に優れたプランを出す人ではないけど憐れみを誘う程劣悪でもない過不足なく無様な様相になったと言っていいんじゃなかろうか。
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・やり甲斐
・生き甲斐
そういうのがない訳でもないとはいえ、組むなら取引になるからねえ。相手の態度も見るし、無条件って事はないよ。
僕、毎度毎度こういう事書いてるけどさ、何かおかしい事言ってるかなあ。当たり前の事しか言ってないと思うんだけどな。
(続く)
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関連リンク
第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
からの「西尾維新篇」。
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第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第6話「過渡期の人」(策謀篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(策謀篇・8) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「策謀篇」。
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第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(昇華篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(批評篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「批評篇」。
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