西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』その15 ステルスリアクション・エクストラ073
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
・・・
・トゥエンティーズ
・犯罪者に限りなく近い咲口先輩だからこそ、犯罪者への嫌悪感は強く、倫理的なのかも
「だからそんなに犯罪犯罪言わないでおいてあげなって」って書こうとしたんだけど、これが事実として犯罪的な事を匂わせようという手法だったとしたらどうしよう、とか考えたところでどうせ最終的な確定なんてできないし、どちらかと言えば紛らわしいだけだし、ベータロンは自分勝手なだけなのだろうけど、僕の方もこれといって嫌悪や倫理をそこまで強めたつもりはないんだよなぁこの件では。
大体名前からして「さきぐち」は「くちさき」、「長広」は「長広舌」から取ってるんだろうから、僕の要因の割合は低いと思うんだよね(だからか扱いが結構酷い)。
・・・
・この世には絶対に、かかわるべきでない人間というものがある
・かかわること自体が人生においてひとつの敗北
ひたすらめんどくさいとか、時間と労力を浪費させられるだとか、期待だけさせるだけに迷惑千万でしょうね、特にそこそこ見込みのありそうな提案に引き込まれる側の人達にとっては。
なんというか、小説で言うと面白そうな世界観とプロットは作れるんだけど、いざ書かせてみるとディテールと展開が台無しとか、そういう風かなぁ。
結果出さないもんだからあらゆる要素が徒労につながってしまっているようで、当の本人の懐だけは温かくなってるのかも。
・・・
・報復の有無
パクリの事なら事例として決着がつくまでは片手間でも追及するスタンスだけど、ベータロンの場合はどうかねぇ……。それこそかかわること自体が無駄なコストなんだし……。
逆恨みで「報復」されたらそりゃ対応せざるを得ないかもだけど……。
・・・
・記憶がないのか(とぼけてるだけでは)
都合よく忘れたふりをするって、よく考えたらえらく子供っぽいなぁ。こういう時に手段を選ばない厚かましさっていうのがミスに厳しい日本文化の中でのし上がるのに有利に働くっていうのが日本の上層部の脆弱さにつながってる気さえしてくるね。
意外に的を射ちゃってそうで困るなぁ、これ。
・・・
・開発中の商品の委託
・モニターで報酬を
・誉めたり批判したりしているだけで
未公開のものも含めて、あれこれ評価しているだけで稼いでるって事なら当てはまる。これやってる内に口先だけで何でも何とかなるって錯覚するようになるのかと思ってたんだけど、実体は「学生時代から『口先だけで何だってどうにでもできる/したい/してきた』」ってタイプがこういう業界に参入したがるってだけなのかもね。
そういうコミュニケーション文化にはまるで興味ないな。
・・・
・インビジブル・ウェア
見えないところでのやりとりを発生させる技術。というか手口。あるいはやっていることを知られずに済ます方法。これらはベータロンの情報操作を思わせる。
・・・
・天狗
「調子に乗っている」か、「ヤクザ天狗」か。両方か。
あるいは「ジャガイモ天狗」か。
(続く)
☆ ☆ ☆ ☆
関連リンク
第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
からの「西尾維新篇」。
☆
第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
☆
第6話「過渡期の人」(策謀篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
から
第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(策謀篇・8) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「策謀篇」。
☆
第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(昇華篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
☆
第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(批評篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
から
第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「批評篇」。
☆ ☆ ☆ ☆