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西尾維新『屋根裏の美少年』その8 ステルスリアクション・エクストラ109

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新『屋根裏の美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。


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・呼ばれると行きたくなくなる

何度でも言うけどそんな事全然ないって。きちんと呼んでくれればちゃんと行くって。「こういう風にすれば、お前、誘わなくても来るんだろ?」みたいな小癪な誘導されても「そういう手続きだとこっちの対応も塩気が多くなるけれどもそれでよろしいか?」ってなるだけで。


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・どんなルートを持っているのか、どんなツールを持っているのか、とにかく底知れない

手の内の見せ方使い方、情報管理と分析をトータルで、コンセプトを実現する為にコントロールしてるからねぇ、本人には分かるのよ。

でもって、その水準で外には分からない部分に加えて、無意識さんっていう僕自身にも理解不能制御不能なファクターがあるからもっと読みづらくなってるんだろうね(僕の意識も振り回されてるからそこは何とも言えない)。


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・『見えない服』が『見えるレンズ』

忍者が新しい術を編み出す時には同時にそれを破る方法も会得しておく、みたいなものだろうけど、歴史寓話制作システムと歴史寓話読解システムの関係かな、このケースは。

「この仮説は主として創作に関する仮説だが、推敲という創作過程は読解・解釈を創作に包含させるため、それらも仮説に含まれる。ゆえにこれは、解釈
の仮説としても成立する」


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・わたしにしか見えない世界を、共有してくれる誰かの存在を、期待していた?
・視界を誰とも共有できない

半分ハズレ。というのは、こういう文化的営為について先行して理解している人達がいる事は分かってたからね。で、半分はアタリ。でも先行する人達が見逃している物事があるんじゃないか(少なくとも暗黙のままになっていて「匂わせる」レベルにさえ浸潤していないのではないか)、というポイントを問うておきたかった。


・・・

・たったひとりの活動
・ソロ

まあねぇ、状況は容易でないと判断しているし、目標が大きい分動かすのにちょっとやそっとじゃ歯が立たんのよ。

と言って少しずつ味方を増やす、みたいなロープレ的なステップは実現し難そうだし、ならいっそ……、という感じ。


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・相談を持ちかける
・実に自然に
・さりげなく
(まったくわざとらしい)

僕が相談に至るくだりとベータロンが僕に相談するよう仄めかすくだりから

ミックスすると構成も展開も変わるとはいえ、一体どれだけのバリエーションが組めるものなのか、ちょっと気にはなる。


・・・

・アドバイスというよりコーチ

問題解決ならともかくコーチなんていらんよ。プロになったら当然成果出す方にもっと注力するし、パクリ対応だってもっと楽になるだろうし。

問題は、「プロが素人から搾取する」と「プロ同士(より有名な方からより知名度の低い方がパクる)でのパクリ」では対応が違うだろう、って事(プロ同士なら持ちつ持たれつって面もあるだろうし{これだってネタのないプロとか、あるいはビジネス誌とかで慣習的になってる「明確な参照元を書かない」手法で、あまり良くない慣例だと思うけど、慣例だからそう毎度毎度構ってるられないだろうし})。

それだってまぁ、僕から引用する事で「箔が付く」ようになれば自動的に解決するはずなんだけど、それまではねー(そもそも引用は箔の付く付かないで名前出すかどうか判断するような物じゃないんだけど、そういう勘違いをしている人{自分を実際以上に大きく見せたいタイプの論者}もいるんでねー。で、そういうタイプが情けない自分を隠す為に他人の成果に手を出してくるって訳{アンフェアな上に業界腐らせるぞこういうのほっとくと})。





(続く)

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関連リンク

西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

西尾維新篇

第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)

第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)

ニンジャスレイヤー篇

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)

策謀篇

第6話「過渡期の人」(約1,900文字)

第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)

第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)

第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)

第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)

第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)

第12話「物語の終わり」(約1,800文字)

第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)

昇華篇

第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)

批評篇

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)

第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)

第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)

第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)

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#批評 #コラム #ステルスリアクション #小説 #西尾維新

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