西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』その12 ステルスリアクション・エクストラ070
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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・一方的な出来レースみたいなもの
コンセンサスなかったから出来レースの強要みたいになってたけどねぇ。やるならやるで根回しするとかあるだろうに、リスク管理しないから……。
こういう傾向はきちんと修正しないと繰り返し繰り返し同じ原因で失敗し続けるよ。たとえ新しい場所にいっても、コネで守ってもらう限度ってものがあるしね。
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・理屈はわからない
まぁどういう理由か分からなければそう思うよなあ。でも「結果そうなった」となると「何故そうなったのか?」という原因究明が始まるはずなので、その段階でシビアな判断が入ると誤魔化すのも一苦労でしょうな。
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・心の中だけでのニックネーム
ベータロンが僕の事をポロッと呼んだりしたんだろうか。ちなみに僕は心の中では本名で呼んでますよ、ベータロンの事は。
そういえばベータロンにはわざと名前間違われたりしたなぁ。姑息というかセコいというか。
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・ギャラリーの誰にもそれが見えていないというのでは、ただの頭のかわいそうな子
いやまったく。つい先日までそういうプレッシャーを感じ続けてきたのであって、決して事情のかなりを吐き出したからすっきりと楽になった訳でもないのだ。
裏事情を全く知らないベータロンの取り巻き同伴の時もそうだったけど、「事情が分からない」「前提を共有しない」「共感する為の要素がない」という状況に置かれてしまうと相手の態度変更を迫るアプローチがとにかくやりにくくなって、その辺りの気遣いの有無からも人柄や性質が垣間見える事もある。
こっちに一方的にリスク背負わせるんなら、成否はどうあれその時点で非対称(=不公平)が生じているので、もうその時から人格や性格だけでなくその後の可能性全般の傾向性が見えてしまう。
端的に酷く誤解されていたのだろうなというところだけど、誤解なんてそうそう無くならないしなぁ。
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・わたしの証言なんて、まったくアテにならないということが、よくわかる
個別の能力と当人の信頼性と、どちらに起因するアテにならなさか。僕が証言を控えたのはもっと遅いタイミングでも構わないもんだと判断してたからなんだけど、どうしてこうなっちゃったんだろう。
これからだってどうなるかわかんないしなぁ。
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・収益差
交渉の進め方で取り分や契約内容が変わると言っても、相手を全く寄せ付けないでいてそれでもチャンスは逃げないはずだと思うならそりゃ虫が良過ぎるってもんで、諸々絡めて考えたら結構シビアだし、だからこそリスクヘッジする手を打たなきゃいけなかったんだよね。
利益や結果で精神が安定するタイプじゃなかったって事かなぁ。
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・一時退却
僕も何度か足を運んだけど、その意味が全然伝わってなかったようだし、そもそもの前提が本当に万に一つの予想もされてなかったようなので意外というか困惑していますよ。
だから出来れば早いうちにホットラインがつながるといいんだけどね。
(続く)
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関連リンク
第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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