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西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』その19 ステルスリアクション・エクストラ077

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。


・・・

・手品
・種明かし

「手塚マンガの風刺性を検証する――『地底国の怪人』の場合――」参照。

これもまた息の長いネタの1つだけど、こういうのはもういちいち解説せずに済ませられないもんかね? まだ無理か。そうか。

長く使い続けるっていうのも注意喚起の為の1つの方法ではあるんだけどね。


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・図抜けて卑怯(まずバレない)

読解力とか観察力の高さを「卑怯」とは言わないだろうけど、閉鎖した現場で知り得た事を歪めて持ち出したり発想力を偽装するのに使ったりって、確かにまずバレないんだよね。

ところがちょっと思考を働かせるだけで不自然さは察せられるし、胡散臭さは嗅ぎ分けられるもんで。

ところがそういう風に「怪しさを察している」という感覚をバラすのではなく匂わせる、というのはなかなか難しくて、逆に「察してもらえない」状態になるっていう……。

やり方次第でどうにかなるんじゃないかとは思うんだけど、それともどうにもならないもんなのかなぁ……?


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・カードの入れ替え(話のすり替え?)
・ひとたび気付いてしまえば、もう遠慮する必要なんてなかった――存分に怒りをぶつけていい

僕はそんなに怒りをぶつけた覚えはないので、「向こう側で一体何があったのかな」と想像するのみではありますが、なんかベータロンに逆ギレされてもなんだかなぁという感じではありますね。

手元に頼りになる人材がいない事まで見越してこっちが動いているとも考えなかったのは向こうの落ち度でしょ。

彼は形式的な理解力・記憶力・ネット検索力・表現時の演出力には長けているものの、新たな発想や構成能力には欠け、既存の手法の最適化による再構築の結果既存の内容からさして遠くもない既視感のあるものになりがち。でなくば、基盤にするべきものが何なのかよく分かっておらず、新しいがうまくいかないとか見た事ないけど大した事ないとかいうものだったり。

まぁ「単に『力が足りない』」でもいいんだけどね。あんまり書くと本人特定されかねないし。


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・カジノホールのルール(施設の・場のルール)
・……に無知
・馬鹿にされても仕方のない無知だったとしても、怒りが消えてなくなるわけじゃない

僕はそこまで無知でもないし怒ってもいないけど、ベータロンの方が把握し切れていない事が原因で逆恨みしてきそうだなぁという部分はある。

あれは油断し過ぎだったとは思うし対応も雑ではあったけれども、(少なくとも僕は)馬鹿にしたつもりはないし営業活動に感情を持ち込んでも仕方ないと思ってる。

向こうのつもりは向こうの事情であって、話通してない以上僕の関知するところではないしね。

結局のところ、この件では「前提を読み間違えて立てられた計画は失敗する」という以上の事はないのだと思うんだけど、では僕の側の前提条件をいかにして把握してもらうか(相手が僕側の前提を把握し切れていない事にどうやって気付いてもらうか)、という問いを立てる事になっちゃうと、なかなかそれだけでは片付かないんだよなー(カンの悪い人間は相手にしない、ってそれなりに高リスクで多様性と柔軟性に欠けるし)。




(続く)

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関連リンク

第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

からの「西尾維新篇」。

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

第6話「過渡期の人」(策謀篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

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第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(策謀篇・8) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

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第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(昇華篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(批評篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

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第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

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#批評 #小説 #コラム #ステルスリアクション #西尾維新

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